高度なレンダリング

ベイク

PovRayでのレンダリングを行う際には、質感に関して多くの設定をすることができます。立体を直感的に把握するために、単純で効果的な要素として影があげられます。


富士山周辺の高さマップのレンダリング(左:単純影、右:エリアライト)

影の境界が不自然にならないように、エリアライトを設定すると、計算時間は大幅に伸びます。そのために特にアニメーションを作成する際に、あまり品質を上げられない問題が発生するでしょう。 ここでは予め影を焼き付けたテクスチャを一度作成し、アニメーションを作成する際に影の計算を行わない方法(ベイク)を説明します。

ベイクを実行

高さマップを選択し、実行タブからベイクを実行すると、真上から見たレンダリングを行います。結果は、Bake_Height_Field_nn.png というファイル名で保存されます。


「ベイク結果を適用」すると、このレンダリング結果をテクスチャとして適用されます。

ベイク結果を適用後は、基本的に光源は不要になります。計算時間の削減の為、影をOffにしてレンダリングを行います。
この方法は、光源などのシーンが全て固定され、カメラのみが動くフライスルーなどのアニメーションを作成する場合のみに有効です。

ベイク倍率

ベイク用のテクスチャは、高さマップデータにベイク倍率をかけた解像度で作成されます。カメラが寄るシーンなどで高解像度の影が欲しい場合などに、数字をあげてベイクを実行するようにしてください。

他のCGソフトウェアの利用(wavefrontを出力)

作成した高さマップの形状(及びテクスチャ情報)のファイルを、他のCGソフトウェアで使えるように waverfront 形式で出力することができます。

出力されるファイルは、2つ、もしくはカラーカーブのテクスチャ画像が必要な場合には3つ(filename.obj filename.mtl textures/colorcurve.png)になります。他のCGソフトなどで使うために、別フォルダに移動させる際などには、まとめてコピーするようにしてください。

原点を調整

Umekitaで作成した高さマップは、内部の数値上は([0〜1], [0〜1], [0〜1])の座標の範囲に作成されています。その場合は、基準点が左下の隅になってしまうので、CGソフトなどでの操作性が悪くなる可能性があります。

「原点を調整」のチェックをすることで、出力する形状の範囲を([-0.5〜+0.5], [-0.5〜+0.5], [0〜1])に平行移動して、図形の中心を原点におくようにします。

例)Blenderでの利用

高さマップの形状を出力した、.objファイルを Blender に読み込ませてレンダリングを行えます。
Blender はPovRayなど科学計算用に使われるCGソフトではなく、通常のキャラクターアニメーションなどを作成するための著名なフリーウェアで、髪の毛の表示といったPovRayとはまた違った表現を行うことができます。


富士山周辺に芝をはやしてレンダリング。キャラクターアニメーションをデータ中に配置するなど、PovRayとは違った可視化表現の追及が考えられます。