Construction of a MD simulation system for ligand potency prediction

 

Authors:Yuko Tsuchiya, Gert-Jan Bekker,Haruki Nakamura

Affiliation:Institute for Protein Research, Osaka University

Abstract:リガンド結合により活性化する蛋白質に着目し、この蛋白質に結合可能な低分子化合物の蛋白質活性化能を予測するシミュレーション系の構築を目指す。
 異なる活性化能を示す3種の既知リガンドを蛋白質にそれぞれ結合させ、蛋白質上の着目する構造領域(この構造変化がリガンド結合および蛋白質機能に関係すると考えられる)の変化を促進するため、200psシミュレーションを実行後、着目する構造領域の変化が最も大きいスナップショットをトラジェクトリから選択し、このスナップショットを初期構造として次の200psシミュレーションを開始した。この操作を1プロダクトランあたり100回繰り返した。着目する構造変化および蛋白質-リガンド結合変化の調査より、リガンドの活性化能と構造変化および相互作用変化との関係性を検討した。
 構造変化の度合いはリガンド種により有意な差が見られ、また蛋白質-リガンド相互作用変化も異なる傾向を示した。強活性化リガンド結合型では、構造変化を強いた蛋白質領域を含む蛋白質-リガンド相互作用の多くが5回の全てのプロダクトランにおいて維持された。一方非活性リガンド結合型では、全プロダクトランにおいて相互作用形成数は大きく減少し、さらにプロダクトラン毎に異なる相互作用変化の傾向を示した。この結果は、活性化能と構造変化および相互作用変化との関連性を示唆するものであり、リガンドの蛋白質活性化能の予測や新規リガンドデザインに発展できるものと考えている。

 




Posted : March 01,2018