Effect of shear stress on lateral pressure in cell membrane

 

Authors:Naoto Okuyama

Affiliation:Impulse science collaborative laboratory, Graduate school of engineering science, Osaka university

Abstract:細胞の力学的作用に対する応答に関連して、細胞膜にセン断応力が印加された場合の細胞膜面内圧力分布を計算し、セン断応力が面内圧力分布にどの程度影響するかを明らかにする。
粗視化分子動力学計算法(Marrink et al.,2007)を用いて、細胞膜(DOPC脂質膜)に比較的小さいセン断応力を印加した定常状態を作成し、その状態での時間平均によって、膜厚方向(z方向)の面内圧力分布を算出し、セン断応力の影響を見積もる。面内圧力分布の算出は、GROMACS-LS(http://mdstress.org/index.php/gromacs-ls/)プログラムを用いて、ユニットセルの膜厚方向を、441分割(dz=0.1nm)して算出した。時間平均は、800nsec(dt=0.04ps×20000000steps)のトラジェクトリを追跡し、等時間間隔で面内圧力分布を算出し、平均した。
セン断速度を0~4GHzまで増加させると、面内圧力分布の陰圧ピークの絶対値は減少する傾向を示したが、その相対的減少幅は3~7%程度であり、面内圧力分布に対するセン断応力の影響は小さいことが分った。また、その他の膜物性である、粒子密度分布、膜厚および単位脂質分子当りの膜面積も、セン断速度の増加に対して、ほとんど変化しなかった。

 




Posted : March 01,2018