Affiliation:Cyberscience Center, Tohoku University
Abstract:
目的: 津波浸水被害予測システムをベースとして津波災害デジタルツインの研究開発を行う。
内容: 本研究は、津波災害デジタルツインを開発するものである。このデジタルツインは、リアルタイムに津波現象を再現する「ハザード層」、その津波による被害を予測する「社会影響予測層」、そしてその被害に対して救援や救助のための情報を提供する「最適対応層」からなるものである。津波災害デジタルツインは津波発生時に短時間で被害状況を予測するものであり、本年度は「ハザード層」を構成する津波浸水被害予測シミュレーションについてSQUIDの汎用CPUノード群、GPUノード群、ベクトルノード群で動作させ、南海トラフ地震を想定したシミュレーションの実行時間を計測した。
結果: 本研究ではGPUノード群で津波浸水被害予測シミュレーションを動作させるため、MPI化していたプログラムをOpenACCを用いてハイブリッド並列を行った。計測には高知県の海岸線を10m格子とした多角形領域接続のモデルを使用して、津波発生から6時間の津波浸水シミュレーションの実行時間を計測した。その結果、GPUノード群とベクトルノード群は同じノード数でほぼ同等の実行時間であることが判明した。具体的には4ノードを使用して、GPUノード群の処理時間が135秒、ベクトルノード群が136秒であった。また、汎用CPUノード群はGPUやベクトルプロセッサなどの加速機構がないため、ほぼ同等の実行時間を達成するためにはGPUノード群とベクトルノード群に比べて4倍から8倍のノード数が必要であることも明らかになった。さらに、本研究によって6時間先の津波現象を各ノード群において200秒以内に行えることからSQUIDシステムはどのノード群を用いても津波浸水のリアルタイム処理が可能であることが明らかになった。
Publication related to your research:
(International conference paper)
- Keichi Takahashi, Takashi Abe, Akihiro Musa, Yoshihiko Sato, Yoichi Shimomura, Hiroyuki Takizawa, Shunichi Koshimura, "Modernizing an Operational Real-time Tsunami Simulator to Support Diverse Hardware Platforms", IEEE Cluster 2024, Sep. 2024
(Etc)
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(招待講演)
撫佐昭裕、“安全安心なスマートシティ実現にむけた津波災害デジタルツインシステムの開発” マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2024)シンポジウム、花巻、6月26日から28日、2024. -
(特許出願)
特願2025-046575、鍬守 直樹、撫佐 昭裕、都市計画案作成システム、方法、及びプログラム、日本電気株式会社、2025年3月21日出願
Posted : March 31,2025