Performance Evaluation of Concatenated Codes in Distributed Quantum Architecture

 

Author:Watanabe Kanta
Affiliation:Graduate School of Engineering Science, The University of Osaka
Abstract:量子ビットのエラーを抑制し、信頼性の高い量子計算を実現するためには量子誤り訂正符号を用いた誤り耐性量子計算の実装が求められる [1]。しかし、単一モジュール内では集積可能な量子ビット数や制御配線の規模などの物理的な制約があるため、大規模量子計算に向けて、複数のモジュールを接続する分散量子計算アーキテクチャが注目されている [2, 3, 4]。分散量子計算ではノイズの多いモジュール間通信が必要であり、その高いエラー率を考慮した符号設計が課題となる。これまで量子誤り訂正符号の一種である連接符号 [5] を分散量子計算に適用する研究は十分に進展してこなかった。しかし、再帰的な符号化の構造を持つ連接符号の性質を利用し、分散アーキテクチャ下でも高 い誤り耐性を実現できる可能性が示唆されている [6]。
本研究では、モジュール間通信の使用を最小限に抑えた分散量子計算における連接符号の設計指針を確立することを目的とした。まず、各モジュールへの適切な量子ビット配置と符号生成過程でのモジュール間通信の利用により、 符号生成後の後の特定の論理量子計算をモジュール内部での操作のみで完結させられることを示した。さらに、一般の連接符号についても、モジュール間通信を特定の符号化段階に限定することで、他の段階の符号構成は単一モジュール内部の操作のみで実行可能であることを示した。この構成により、分散量子計算のボトルネックとなりうる 通信回数を最小限に抑えた効率的な量子計算が期待される。そこで、連接符号の中でも優れた誤り訂正能力を持つ Many-Hypercube (MHC) 符号 [7] を分散量子計算へ適用し、その性能を評価した。具体的には、モジュール間通信を最小限に抑えるよう設計した複数のアーキテクチャについて数値計算を行い、最適な通信階層を探索した。その結果、高ノイズの通信下でも MHC 符号が有効に機能することを確認するとともに、符号化の最終段階に通信を集約する構 成が最も高い誤り耐性を実現することを明らかにした。本研究の成果は将来の分散アーキテクチャ設計における性能とコストのバランスを最適化するための、具体的かつ定量的な指針を与えるものである。

[1] P. W. Shor, Physical Review A 52(4), R2493 October 1995.
[2] A. Kuhn, M. Hennrich, G. Rempe, Physical Review Letters 89(6), 067901 July 2002.
[3] H. K. Beukers et al., PRX Quantum 5(1), 010202 March 2024.
[4] J.Ramette,J.Sinclair,N.P.Breuckmann,V.Vuletic ́,npjQuantumInformation10(1),1June2024.
[5] E. Knill and R. Laflamme, August 1996.
[6] S. Yoshida, S. Tamiya, H. Yamasaki, npj Quantum Information 11(1), 88 May 2025.
[7] H. Goto, Science Advances 10(36), eadp6388 September 2024.

 

Publication related to this research
(Domestic conference/workshop)

  • Kanta Watanabe, Rui Asaoka, "モジュール分割した連節符号型論理ビットの性能評価", QIT53.

 




Posted : March 31,2026