相分離現象を利用した強制熱対流における伝熱促進

 

氏名:高木洋平

所属:大阪大学大学院基礎工学研究科

概要:微小熱交換器内では穏和な条件で伝熱促進させる新しい手法として、熱力学的不安定性による液-液系の相分離現象の利用が提案されている。本研究では二成分流体中で発生した相分離によって熱対流運動がどのように変化して伝熱が促進されるかを明らかにするために、相分離を記述するCahn-Hilliard方程式を流体のNavier-Stokes方程式及び熱輸送に関するエネルギー式とカップリングし、有限差分法を用いた直接数値計算(Direct Numerical Simulation, DNS)を実施して相分離によって生じるドメイン構造と伝熱促進効果の相関を調べた。アセトン-ヘキサデカン系を対象として管径1mmの層流計算を行い、発生した相分離ドメイン付近において壁垂直方向の変動速度が発生し、循環渦の発生によって伝熱が促進されることがわかった。

 

論文掲載,発表実績:
(国内研究会等発表論文)

  • 高木, 岡本, 岡野, "二成分流体における相分離現象を利用した伝熱促進効果", 第30回数値流体力学シンポジウム, A04-3 (2016)
  • P. Stoyanova, S. Okamoto, Y. Takagi, Y. Okano, “"Numerical simulation of the effect of liquid-liquid phase separation on the convective heat exchange in a microchannel", 化学工学会第81年会, M221 (2017)

 




Posted : 2017年03月30日