vol.09 キャビテーション乱流の数値解析

今回のHPSC Newsでは、「キャビテーション乱流の数値解析」に取り組んでおられる大阪大学 工学研究科 岡林 希依 先生の御研究を紹介します。

 
研究者:岡林 希依
所属:大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 助教
研究概要:液体の流れにおいて圧力が飽和蒸気圧より低下すると、泡の発生・消滅が短時間に生じます。この現象をキャビテーションといい、ポンプや舶用プロペラなどの流体機械に様々な悪影響を及ぼします。国内では、特にロケットエンジンの液体水素ターボポンプ内の流れ解析に対する要求を契機として、キャビテーション流れの数値計算が発展してきましたが、最も基本的な翼周りの流れでさえ、揚力係数などの定量的な再現は困難です。本研究では、翼周りのキャビテーション流れの数値解析において、非常に微細な乱流渦を解像することで、揚力の再現性を向上させることができました。細かい乱流渦をとらえるような計算は大規模になりがちですが、スーパーコンピュータSX-ACEによって高速に行うことができています。




Posted : 2021年01月18日