歯茎摩擦音/s/の口腔単純形状モデルを用いた空力音響解析

report2014_2015040903

 

氏名:吉永 司
所属:大阪大学 基礎工学研究科
概要:歯茎摩擦音/s/とは,日本語のシを除くサ行を発音する際に発生する音であり,舌と歯茎の隙間からジェット流を発生させることにより発音する.口腔内での音の発生メカニズムを調べることにより,発音障害の治療等に活かすことができる.本研究では,口腔形状を単純化したモデルを用いて空力音響シミュレーションを行うことにより,口腔内での音の発生メカニズムを調べた.単純形状モデルは,CT画像により計測した被験者の/s/発音時の口腔断面積を元に作製した.シミュレーションは,ソフトウェアFrontFlow/blue-Acoustics(RSS21)を使用し,流体解析と音響解析を組み合わせた分離解法により行った.単純形状モデルに呼気流量を流入した際に発生した音は,歯茎摩擦音/s/の特徴である4 kHz以上の高周波数域の音を再現した.この時,舌と歯茎による狭窄流路から発生したジェット流は,上下前歯の隙間を通過する際に大きく乱れ,口唇表面に音源を形成することが明らかとなった.

 

論文掲載,発表実績:
(その他)

  • 吉永司,野崎一徳,和田成生,”口腔内の流速を考慮した歯茎摩擦音/s/の口腔単純形状モデル”,第34回流力騒音シンポジウム,東京大学工学部,2014年12月
  • 吉永司,”口腔単純形状モデルを用いた歯茎摩擦音/s/の発話機構に関する研究”,大阪大学基礎工学研究科修士論文,2015年2月

 




Posted : 2015年03月02日