大規模固有値問題における複数固有値の同時求解の計算高速化

 

氏名:
降籏 大介

所属:
大阪大学サイバーメディアセンター

概要:
大規模固有値問題において、複数の固有値を同時に求めるアルゴリズムは複数あるが、いずれも計算量の大きさが実用上の問題であり、この困難に対してなんらかの改善が必要とされている.そこで、逆べき計算過程の反復によりなんらかの純粋な固有ベクトルへの収束を期待する逆べき乗法のその計算過程において多くの情報が利用されずに破棄されていることに着目し、これらを求解に寄与させることで全体の計算速度の向上をはかることを試みる.またもちろん、これらの計算を並列化することで、複数固有値の求解が行える.
そして実際、並列化が完全になされていない小規模な試験計算においてではあるが、n x n 行列に対し、m 個の固有値を求める問題で計算時間がおおよそ O(n^2) で済むことが確認できた.理論上この計算量は O(n^3) まで膨らむため、この結果は有望なものである.

 




Posted : 2016年03月31日