カーボンナノチューブ-分子間における電荷移動の理論的検討

 

氏名:
赤井 恵

所属:
大阪大学大学院 工学研究科

概要:
我々は最近, カーボンナノチューブ(CNT)素子においてCNT表面に吸着した分子1個とCNT間の電荷移動に起因する電流雑音の計測に成功した。室温大気圧下でこのような計測に成功した例は未だかつてなく, そのメカニズムについては分かっていないことが多い。本研究では,CNT-分子間の電荷移動についてより深い知見を得るために密度汎関数理論(DFT)に基づく理論検討を行うことを目的とした。
検討にあたり, まず実験に使用した種々の分子の構造最適化をGaussian09により行った。 更に, 孤立した分子の電子状態計算をDFT計算により行った。
DFT計算による分子のHOMO-LUMO準位と実験結果計の比較から電荷移動は分子の酸化還元反応によるものと考えられる。

 

論文掲載,発表実績:

(国内研究会等発表論文)

  • 藤井逸人, Agung Setiadi, 赤井 恵, 葛西誠也, 金井 康, 松本 和彦, 桑原裕司, “単分子吸着によって発現するカーボンナノチューブ素子におけるランダムテレグラフシグナルノイズ”,応用物理学会第63回春季学術講演会公演予稿集, 21p-S421-11, Mar. 2016.

 




Posted : 2016年03月31日