海洋中の乱流と混合に関する数値実験的研究

 

氏名:吉川 裕、牛島 悠介、藤原 泰、萬年 隆裕

所属:京都大学大学院理学研究科

概要:海洋表層では風により発生する乱流により、活発な鉛直混合が生じ混合層と呼ばれる鉛直一様な層が形成される。この混合層の深さは、海面熱フラックスの日変化に影響されることが、前年度までに行ったラージ・エディ・シミュレーションにより明らかになっている。混合層深度は海面水温を通じて気候に影響を与えることから、日変化の影響下での混合層深化過程を適切に再現するパラメタリゼーションスキームの構築が、大規模な海洋そして大気の循環場の再現には必要である。そこで、既存のパラメタリゼーションスキームの妥当性をラージ・エディ・シミュレーション結果をもとに評価した。その結果、既存のスキームでは上記の過程を適切に再現できないことと、その原因は運動エネルギー拡散過程のパラメタリゼーションにあることを明らかにし、さらにそのパラメタリゼーションの改善方法を提案することができた。

 

論文掲載,発表実績:

(国際会議会議録掲載論文)

  • Yusuke Ushijima and Yutaka Yoshikawa, “Diurnal cycle effects of the surface heat flux on the mixed layer depth and sea surface temperature under the stabilizing heat flux” AGU Fall meeting 2017, 2017年12月11-15日、New Orleans, U.S.A.
  • Yusuke Ushijima and Yutaka Yoshikawa, “The effect of diurnal cycle of surface heat flux on the ocean mixed layer”, 9th International Workshop on Modeling the Ocean, 2017年7月3-6日, Yonsei University, Seoul, South Korea

 

(国内研究会等発表論文)

  • 牛島 悠介・吉川 裕 「成層海洋中での風成乱流による混合層深化に関する研究」、日本海洋学会2017年度秋季大会、2017年10月14-16日、仙台国際センター

 




Posted : 2018年03月01日