MOシミュレーションによる有機低分子の吸光波長予測

 

氏名:[1]諏訪志典、[1]川嶋裕介、[2]川下理日人、[1]田雨時、[1]高木達也

所属:[1]大阪大学大学院薬学研究科、[2]近畿大学理工学部

概要:プローブ分子によるイメージング技術が生命現象の解明に大きく貢献してきているが、そのプローブについては近赤外線吸収を示すような化合物が望まれている。そこでMOシミュレーションによる新規構造の導出のために、新規有機色素及びその誘導体について、量子化学計算により構造の違いによる吸光波長の変化の再現を行う。10構造の化合物に対してGaussain09を用いてMOシミュレーションを行った。DFT法によって電子基底状態における構造の最適化、TD-DFTを用いて一電子励起状態におけるエネルギーを求め、その差を取ることで吸光波長を予測した。計算レベルには真空中でB3LYP/6-31G(d)を用いてクロロホルム中の測定値と比較した。回帰分析を行ったところ相関係数が0.79と高い値が得られた。1と3、6、7のような同位置の置換基間での違いによる影響を反映できていることから、有効な手段であることが確認された。

 

論文掲載,発表実績:
(学術雑誌掲載論文)

  • Yuki Fujii, Yukinori Suwa, Tsunayoshi Takehara, Hitoshi Haneoka, Takeyuki Suzuki, Yusuke Kawashima, Norihito Kawashita, Tatsuya Takagi, Hiromichi Fujioka, Mitsuhiro Arisawa. “Metal-Free Nitrogen-Containing Polyheterocyclic Near-Infrared (NIR) Absorption Dyes: Synthesis, Absorbance Properties and Theoretical Calculation of Substituted 5-Methylisoindolo[2,1-a]quinolines.” The Journal of Organic Chemistry, Posting

 




Posted : 2018年03月01日