並列プログラム生成系FlintにおけるSX-ACEプログラムのアクセスパターンの改善

 

氏名:置田 真生,石田 祐二郎,萩原 兼一

所属:大阪大学 大学院情報科学研究科

概要: 本研究では,不規則なアクセスパターンを持つSX-ACEプログラムを対象に,メモリアクセス性能の高いアクセスパターンへ変換する方法を探る.
SX-ACEでは,ベクトル化の対象となる配列の定義および参照において,配列要素へ線形アクセスを行う場合にアクセス性能が高い.そこでベクトル化されるループの順番を入れ替えることでアクセスパターンを線形に変換する最適化手法が存在する.ただし,複数のベクトルデータ間で参照する配列要素に重複がある場合,線形アクセスの最大化には組み合わせ最適化を解く必要がある.
本研究は,メモリアクセス性能の高いアクセスパターンを貪欲法に基づいて求める手法を提案する.ベクトルデータごとの空間局所性を定量的に予測し,局所性の向上を期待できる順にループの順番と配列要素の配置を決定する.大規模な心筋細胞の膜電位シミュレーションプログラムに適用した結果,単純な手法と比較して,線形アクセスの割合を30%から60%に増大し,実行時間を最大15%削減した.

 

論文掲載,発表実績:
(国内研究会等発表論文)

  • 石田祐二郎, 置田真生, 伊野文彦, 萩原兼一. 並列プログラム自動生成における間接参照の削減によるベクトル計算機向けメモリ参照効率化''. 第14回情報科学ワークショップ会議録(WTCS 2018), pp. 153--156, (2018-09).
  • 石田祐二郎, 置田真生, 伊野文彦, 萩原兼一. 並列プログラム自動生成におけるベクトル計算機向けメモリ参照効率化のための間接参照の削減''. 電子情報通信学会技術研究報告, CPSY2018-20, pp. 115--120, (2018-07).

 




Posted : 2019年03月01日