所属：Department of Integrated Science and Technology, Oita University

概要：本研究の目的は，液体金属の粘度の局所構造依存性を解明することである．この問題を解決するために，液体の局所せん断応力時間相関関数の初期応力状態依存性を調べた．結果，液体の局所構造パラメタの一つとして局所圧力を計算し，その初期圧力状態とせん断応力緩和の間に強い相関が存在することを見出した．圧縮環境下にある原子はせん断に対して速く緩和し，引っ張り環境下にある原子は遅く緩和することがわかった．さらに，材料によらない普遍性をもつことが示唆された．

論文掲載,発表実績:
（学術雑誌掲載論文）

• T. Iwashita, H. Koga, S. Yamada, “Strong Correlation Between Atomic-Level Pressures and Viscous Shear Relaxations in Liquids”, JOM 72 (2), 854-859 (2020).

（その他）

• 古賀遼生, 岩下拓哉, "液体の粘度と応力の局所的相関", 2019年９月, 日本物理学会2019年秋季大会（岐阜市）
• 山田爽水, 岩下拓哉，“液体金属における粘度の局所構造起源探索”，2019年9月，日本物理学会2019年秋季大会（岐阜市）
• 古賀遼生, 岩下拓哉，"液体の局所粘度の空間相関"，2019年12月，第125回日本物理学会九州支部例会（佐賀市）
• 岩下拓哉，“不規則物質の動的欠陥探索と運動論”，2019年12月，レア・イベントの計算科学ワークショップ　(名古屋市)
• 山崎拓真，“荷電コロイドの熱的活性過程の関係”，2019年12月，2019スパコンワークショップ(名古屋市)
• 山田爽水, 岩下拓哉，“局所力学量で視る液体の動力学”，2019年12月，第125回日本物理学会九州支部例会（佐賀市）
• 山崎拓真，岩下拓哉，“荷電コロイドの粘度と熱的活性過程の関係”， 2019年12月，第125回日本物理学会九州支部例会（佐賀市）