レーザープラズマの2次元放射流体シミュレーション

 

氏名:砂原 淳1, 城﨑 知至2

所属:1Purdue大学原子力工学科/大阪大学レーザー科学研究所, 2広島大学 大学院工学研究科

概要:これまでに開発した2次元輻射流体シミュレーションコードSTAR2dに対して、本年度は流体ソルバーの改良や、相対論電子ビーム輸送ルーティンの組み込みを行った。また、開発したコードを以下の解析を行った。
(a) レーザー核融合爆縮過程をシミュレートするため、2次元輻射流体コードSTAR2Dの開発を進めた。本年度は流体ソルバー空間精度向上と境界条件設定の改良を行うとともに、保存量保存性の改良を進めた。また、開発したコードを爆縮過程のシミュレーションに供して、解析を行った。

(b) X線顕微鏡などの応用を目的とした軟X線源開発として、テーブルトップのジュール級レーザーを平板金ターゲットに照射し、生成される金アブレーションプラズマからの軟X線生成過程をシミュレートした。2次元輻射流体コードSTAR2Dでレーザーアブレーション過程をシミュレートし、得られたアブレーションプラズマの時間・空間プロファイルと輻射放出・吸収係数テーブルを用いたX線光線追跡シミュレーションにより放出輻射特性を評価した。シミュレーション結果と先行実験悔過とは、軟X線放出時間・空間プロファイル、照射レーザーから軟X線への変換効率等においてよい一致を示した。これより、シミュレーションの妥当性が確認された。今後、レーザー照射条件・ターゲット厚さを変えたシミュレーションを進め、軟X線放射の高効率化を目指す。

 

論文掲載,発表実績:
(学術雑誌掲載論文)

  • C. John, M. Kishimoto, T. Johzaki, T. Higashiguchi, N. Kakunaka, Y. Matsumoto, N. Hasegawa, M. Nishikino, T. Ejima, A. Sunahara, T. Endo, S. Namba, “Enhancement of water-window soft x-ray emission from laser-produced Au plasma under low-pressure nitrogen atmosphere”, Optics Letters 44, (6) (2019) 1439-1442.
    DOI: 10.1364/OL.44.001439

 




Posted : 2020年03月31日