高速点火レーザー核融合における高密度爆縮コア形成のためのシミュレーション手法開発

 

氏名:長友 英夫1, 松川 敏徳2

所属:大阪大学レーザー科学研究所1, 大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻2

概要:
目的 レーザープラズマ流体における運動論的な電子熱輸送を考慮することを目指し、簡易フォッカープランク方程式の開発、およびそれを輻射流体シミュレーションコードに組み込む。

内容 比較的強い強度のレーザーを照射する場合のレーザープラズマでは高いエネルギーを有する非熱的な高速電子の影響が無視できなくなる。この場合、熱伝導を従来の電子温度の勾配だけで表現できなくなることから、フォッカープランク(FP)方程式を解く必要がある。ただし、FP方程式を厳密に解くと計算量が大幅に増大するため、簡略化した手法を開発する必要がある。この一つとして陽的に解くM1法が存在するが、今回は、計算時間の短縮と安定化のために新たに陰的なM1法を導出し、コード化した。

結果 古典的なSpitzer-Harmの電子熱流束、流束制限付Spitzer-Harm、あるいは従来の非局所電子熱伝導モデルと比較し、物理的に妥当な熱流束結果が得られた。

 

論文掲載,発表実績:
(国内研究会等発表論文)

  • 長友英夫, “放射流体としてのレーザープラズマ”, 日本物理学会 2021年秋季大会 シンポジウム「原子・分子過程で繋ぐマルチスケールプラズマの科学」、p21 B1-6, 2021年9月21日 (オンライン)

 




Posted : 2022年03月01日