大振幅Alfven波による粒子加速
氏名:諌山翔伍
所属:九州大学
概要:我々はこれまでに, 磁化プラズマ中を対向伝搬する大振幅波動が形成する定在波構造において, 波動振幅がある閾値を超えると, 非相対論的エネルギーを持つ全ての粒子が一挙に相対論的エネルギーまで加速されることを明らかにしてきた.
本研究では, 一つの親波がパラメトリック不安定性により崩壊する過程で生成される対向波を利用し, 新たな多段階的加速機構が発現することを発見した[S. Isayama, S. Matsukiyo, T. Sano and S. H. Chen submitted.]. 図1に示す緑色の電子は, 最終的に γe~2400に達しており, 以下のような三段階の加速過程が明らかとなった. 初期段階では, 対向伝搬する波動による加速(対向伝搬加速)が起こる. 対向伝搬加速を受けた電子バンチと背景イオンとの電荷分離により, 静電場Ecsが形成され, これが共鳴加速を強化する(Gyroresonant-surfing acceleration). 電子が感じるEcsが弱まると, 電子は親波に捕捉され, さらに超高エネルギーまで継続的に加速される. さらに, 対向伝搬加速により, 波束の後方に後続電場 Etrail が励起されることも確認された. なお, これとは別に, 2次元の数値シミュレーションも実施しており, 現在論文投稿の準備を進めている.
Posted : 2025年03月31日