本システムでは、プログラムの作成から、作成モジュールの実行までを、HPCフロントエンドまたは占有型フロントエンドで行います。基本的なプログラムの実行までの流れは以下となります。本項では「2. ソースコードから実行モジュールの生成(コンパイル)」の方法について詳細を記述します。

1. ソースコードの作成・編集・修正
2. ソースコードから実行モジュールの生成(コンパイル)
3. 実行モジュールの実行

 

コンパイラ・MPIの利用

    本システムでは、各種のプログラミング言語が利用可能です。プログラミング言語を使うためのコンパイラやMPI、付随するライブラリの環境セットは、ベース環境としてまとめられています。本節ではプログラミング言語ごとのベース環境の概要を記載します。
     

    C/C++言語、FORTRAN言語

      C/C++言語、FORTRAN言語のプログラム開発に際しては、汎用CPUの各計算環境に適したコンパイラを利用できます。また、スレッド並列、MPI並列による並列実行モジュールの作成も可能です。

      ご利用の際は、環境設定に従い、「Environment Modules」を利用して、モジュールを読み込みます。モジュールの中には、各計算環境でプログラム開発を行うのに適した構成を、推奨環境として整備しています。各推奨環境の構成は以下の通りです。

       

      計算環境 推奨環境
      モジュール名
      コンパイラ MPI
      汎用CPU計算環境 BaseCPU Intel oneAPI Intel MPI
      (なし) BaseGCC GNU Compiler Open MPI

       

その他のプログラミング言語

    C/C++言語、FORTRAN言語以外のプログラム言語についても、ベース環境を用意しています。利用可能なプログラミング言語環境は以下の通りです。
     

    言語環境 モジュール名 バージョン 説明 備考
    Python3 BasePy 3.13.5 Python 言語向け
    R BaseR 4.5.1 R 言語向け
    JAVA BaseJDK 21.0.8 JAVA 言語向け OpenJDK
    Julia BaseJulia 1.11.6 Julia 言語向け

 

ライブラリ・言語モジュールの利用

    本システムで利用可能なライブラリ群はmoduleコマンドにより環境変数を設定します。
    また、各ライブラリのモジュールは<モジュール名>/<バージョン>でバージョン管理されます。ライブラリは、各ベース環境に同梱されています。それらのライブラリはベースモジュールを読み込んだ後に利用可能となります。

    利用可能なライブラリ、言語モジュールは以下の通りです。
     

    ライブラリ
    言語モジュール
    モジュール名
    BaseCPU BaseGCC BasePy BaseR
    Intel MKL (※) - - -
    GNU Scientific Library - - -
    HDF5 - - -
    NetCDF - - -
    Parallel netcdf - - -
    Keras - - -
    PyTorch - - -
    TensorFlow - - -
    pbdR - - -

    ※ BLAS, LAPACK, ScaLAPACK は「Intel MKL」に含まれています。