所属：Joint Institute for Nuclear Research, Bogoliubov Laboratory of Theoretical Physics

概要：カイラル対称性の破れとモノポールの関係を明らかにするために、QCD の第一原理計算 を行っている。
モノポール生成・消滅演算子によってモノポールと反モノポールを加えた QCD 真空を生 成し、その真空からオーバラップフェルミオンのディラック演算子の固有値と固有ベクト ルを計算した。そして、加えられたモノポールと反モノポールが、 QCD 真空中でコヒー レント状態になっていることを確認した。次に QCD 真空中のインスタントンの数を計算 し、モノポールとインスタントンの定量的な関係を示した。さらに、カイラル対称性の破 れを示す秩序変数である、カイラル凝縮を計算して、モノポールと反モノポールの磁荷数 を変えると、カイラル凝縮の値が変わることを示した。そして最後に、くり込み定数、パ イオン崩壊定数、クォーク質量を詳細に計算した。現在、これらの結果を論文にまとめて いる。

論文掲載,発表実績:
（特集記事）

• M. Hasegawa, Chiral symmetry breaking, instantons, and monopoles in lattice QCD by Supercomputer SX, Annual Report 2015, Topics 2015 of Research Group, Supercomputer, RCNP, Osaka University, Japan (2016).

（セミナー）

• M. Hasegawa, Chiral symmetry breaking, instantons, and monopoles in QCD, University of Pisa and INFN, Pisa, Italy (2016).
• M. Hasegawa and A. Di Giacomo, Chiral symmetry breaking, instantons, and monopoles, Bogoliubov Laboratory of Theoretical Physics, JINR, Dubna, Moscow, Russia (2016).

（国際会議会議録掲載論文）

• M. Hasegawa, Chiral symmetry breaking, instantons, and monopoles in lattice QCD, Meeting of the working group on theory of hadronic matter under extreme conditions, JINR, Dubna, Russia (2016).