最密充填パッチコロイドにおける回転自由度の秩序化
氏名:光元 亨汰, 吉野 元
所属:大阪大学サイバーメディアセンター
概要:パッチコロイドとはコロイド粒子の一部を金属などでコーティングすることで作られる、異方性を持ったコロイド粒子である。工学的にも、ソフトマター物理の観点からも興味深い系である。本研究では、最密充填まで密度を高めた状態での、この系の回転自由度の秩序化を明らかにする。具体的には、秩序相への相転移の性質、また秩序状態への緩和過程の性質にいて明らかにすることを目的とした。パッチコロイドの回転自由度に対して、モンテカルロシミュレーションに基づく系統的な数値解析を行った。この系は格子系であるために、ベクトル化計算が有効で、劇的な計算高速化ができた。シミュレーションの結果、熱平衡状態においては連続相転移(3-state Potts模型の普遍クラス)が起こることがわかった。緩和過程においては、べき則に従うドメイン成長則が観測され、種々の動的スケーリング則が成立することを明らかにした。
論文掲載,発表実績:
(学術雑誌掲載論文)
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"Orientational ordering of closely packed Janus particles",
Kota Mitsumoto and Hajime Yoshino, Softmatter誌 (RoyalChemical Society)
(その他)
- 「最密充填ヤヌス粒子における回転自由度の相転移」光元亨汰, 吉野元 (日本物理学会 2017年9月21日、岩手大学)
- 「ランダム充填ヤヌス粒子系の回転自由度のダイナミクス」光元亨汰, 吉野元 (日本物理学会 2017年3月23日、東京理科大学)
- 「最密充填パッチコロイド系における回転自由度の相転移とクエンチングダイナミクス」(第7回ソフトマター研究会、京都大学、2017年10月23日)
Posted : 2018年03月01日