NuFD/FFRによる圧縮機内部の流動解析

 

氏名:岡部壮志

所属:株式会社数値フローデザイン

概要:圧縮機、燃焼器、タービンからなる産業用ガスタービン全体を対象とした解析に向けて Nu、FD/ FFR による回転領域を含む圧縮機、タービンにおけるスライディング境界を含めた大規模な解析の高並列効率化、高実行効率化、圧縮性アルゴリズムの改善を目的にベンチマークテストを対象に検証した。対象はNASA の stage 35[1] に対して、設計速度の70%の条件とした。対象の圧縮機を市販のメッシャーにて総要素数4000万のヘキサメッシュで分割し、領域を608で分割し解析を行った。比較はシュラウドから10%、30 %、70%の面の相対マッハ数で比較した。各面の相対マッハ数を図に示す。既往の実験と比較すると、蔑間のマッハ数の分布、翼面での流れの剥離の様子が十分捉えることが出来ていないことが確認された。この原因はメッシュ解像度の不足または圧縮性のアルゴリズムに起因すると結論付けられた。今後の課題としてメッシュの過密による空間の高解像度化が必要であることと圧縮性アルゴリズムの一層の改善が今後の課題となった。当初の目的であった高並列効率化、高実行効率化および圧縮性アルゴリズムの改善について評価する。圧縮性アルゴリズムについては先にも論じた通り、今後も改善の必要性があることが確認された。高並列効率化についてスライディング面での通信を見直すことにより通信に要する時間が20%の短縮が実現したため、本課題を通して一定の成果があったものと考えられる。高実行効率化について、高並列効率化が実現したことにより実行効率も5%上がったことを確認できたため、高実行効率化についても本課題を通して一定の成果があったと結論付けられる。以上から、今後実施される産業用ガスタービンを対象とした数値解析に必須となる、大規模並列計算に耐え得る高並列効率化、高実行効率化について一定の成果があった。一方、圧縮性流体の高精度な解を得るための圧縮性アルゴリズムに関しては今後も改善していく必要があることが確認された。

 




Posted : 2022年03月01日