イオン液体界面のシミュレーション
氏名:大戸達彦
所属:大阪大学大学院基礎工学研究科
概要:本研究では、イオン液体と空気あるいはグラフェンとの界面での分子配向を明らかにすることを目的とし、第一原理分子動力学法(AIMD)を初めてイオン液体界面に適用した。イオン液体界面ではアニオン・カチオンの密度が交互に高くなり、バルクに近づくと均質になることが知られている。AIMDでは、電子分極が含まれているにも関わらず、分極なしの古典力場同様の遅い構造緩和が見られた。AIMDではπ-πスタッキングしている分子の割合が高く、カチオン同士の相互作用によって構造が作られていることが明らかとなった。
論文掲載,発表実績:
(学術雑誌掲載論文)
- Fujie Tang, Tatsuhiko Ohto, Taisuke Hasegawa, Mischa Bonn, and Yuki Nagata,"π+-π+ stacking of imidazolium cations enhances molecular layering of room temperature ionic liquid at their interfaces",Phys. Chem. Chem. Phys., 19, 2850-2856, (2017).
Posted : 2017年03月30日