時系列シングルセルデータ比較解析法の開発
氏名:加藤 有己
所属:大阪大学大学院医学系研究科
概要:遺伝子の発現量などから細胞状態の遷移過程を捉える疑似時間解析において、実験条件の異なるデータから得られる疑似時間経路を理論的に比較する計算手法が求められている。既存手法では線形構造の比較しか行えないため、経路に分岐が含まれる場合、その選択に解析者によるバイアスがかかっていた。本研究では、比較したい疑似時間経路に分岐が含まれるような場合に、客観的に比較可能な手法CAPITALを開発した。公開されているヒトの筋細胞データの組を用いたところ、マーカー遺伝子の発現ダイナミクスを正しく捉え、既報の結果と概ね合致したため、開発手法の妥当性がある程度示されたと考える。
論文掲載,発表実績:
(その他)
- Reiichi Sugihara, Yuki Kato, Tomoya Mori and Yukio Kawahara, "Alignment of time-course single-cell RNA-seq data with CAPITAL," bioRxiv, doi: https://doi.org/10.1101/859751, Nov. 2019.
Posted : 2020年03月31日