Anti-Stretching effect in resonances of 8Be

 

氏名:Hiroki Takemoto

所属:Faculty of Pharmacy, Osaka Medical and Pharmaceutical University

概要:軽い4n核の0⁺にはα粒子が凝縮した状態が存在することが理論的に示唆されている。高いスピン状態でもこのような凝縮状態が存在するのかを確かめるために、最も軽い4n核である⁸Be原子核の4つの共鳴状態(0₁⁺, 2₁⁺, 4₁⁺, 6₁⁺)の構造解析を行った。有効相互作用としてVolkov No.2(M=0.601)を用いて、共鳴状態の波動関数をBloch-Brink波動関数を基底とする複素スケーリング法により求めた。0₁⁺, 2₁⁺, 4₁⁺, 6₁⁺のintrinsic状態の密度分布から0₁⁺状態はよく発達したクラスター構造を持つが、スピンの増加に伴いクラスター間の距離が縮まる様子が観察された。また、0₁⁺ と 2₁⁺は空間的に広がったtailを持ち、α凝縮状態を記述するTohsaki-Horiuchi-Schuck-Röpke波動関数との比較からこの2つの状態はα粒子のガス的な状態であることが確かめられた。このような核スピンの増加に伴う構造変化はE2遷移強度に反映され、B(E2; 4₁⁺ → 2₁⁺)の値は抑制される。

 

論文掲載,発表実績:

(その他)

  • 竹本宏輝,明孝之,堀川昶,井坂政裕,M. Lyu, Q. Zhao, N. Wan, “複素スケーリングされた生成座標法で得られたBloch--Brink波動関数による⁸Beの共鳴の解析” 一般社団法人 日本物理学会, 2024年3月20日, オンライン

 




Posted : 2024年03月31日