Elucidation of potential function of T cell receptors using BERT

 

氏名:安水 良明

所属:大阪大学 大学院医学系研究科

概要:CD4+T細胞は免疫の中心的役割を果たしており、その異常は自己免疫疾患・腫瘍など、様々な疾患の原因となる。申請者等は自己免疫疾患におけるCD4+T細胞の関わりを調べるため、シングルセル解析と呼ばれる1細胞から遺伝子発現やTCR配列を検出実験手法を用いた解析をおこない、Tregらしさや細胞傷害性など、CD4+T細胞を形作る12個の特徴量を定義することに成功している。抗原認識を行うT細胞受容体(TCR)はDNA再構成により2x1019種類にも及ぶ多様性を有しており、疾患における意義が重要視されてきた一方で、T細胞受容体配列の持つ意義はほぼ明らかになっていなかった。
本研究では、CD4+T細胞の持つTCR配列についてBERTの事前学習をおこない、CD4+T細胞で事前学習を行ったBERTモデルで分散表現抽出を行った後、全結合層や勾配ブースティングなどによる学習モデルの構築を行った。同モデルを用いて、T細胞特徴の予測を行った。はじめに、Tregらしさの予測を行ったところ、線形モデルを用いた既報に比べ良好な予測に成功した。さらに、Tregにとどまらず、細胞傷害性などの12種類の形質がTCR特徴によってどの程度決定づけられているかをしらべた。その結果、memoryらしさ、Naïveらしさ、細胞障害性がTCRにより説明できることが明らかになった。

 

論文掲載,発表実績:
(学術雑誌掲載論文)

  • Yoshiaki Yasumizu et al., “Single-cell transcriptome landscape of circulating CD4+ T cell populations in autoimmune diseases” Cell Genomics, 2024, Volume 4 Issue 2, 100473, 2024.

 




Posted : 2024年03月31日