Scalability testing of large-scale nonlinear FEM analysis for reinforced concrete buildings

 

氏名:Eiji Tanaka

所属:Shimizu corporation

概要:本研究では、鉄筋コンクリート(RC)構造建設物の非線形性や建設物形状を忠実に表現した構造解析の実現を目指し、開発したRC構造建設物の大規模解析システムを試行した。今後、建築・土木構造物の性能設計や、高度な安全性が求められる原子炉建屋の性能評価といった複雑な検討を行う際、精緻な三次元ソリッドFEM解析と多並列解析が必要と目される。そこで、RC構造建設物の非線形性を考慮可能な改造を行ったオープンソース並列FEM解析プログラムFrontISTRについて、スケーラビリティを測定した。
 解析対象は、図1に示す原子力発電所タービン建屋の衝突解析とした。建屋内部で発生する衝突を考慮した非線形解析と、衝突を無視した線形解析について各々強スケール測定し、非線形解析の並列性能を検討した。解析モデルを図2に、解析結果を図3に各々示す。211万節点・184万要素のソリッドFEMモデルであり、衝突を考慮した場合、衝突箇所の局所的な応答増大が確認できる。各並列数の実行時間を図4に、32並列を基準とした速度向上率を図5に各々示す。速度向上率は、512並列まで線形に近い理想的な傾向を示しており、解析プログラムの並列性能が確認できた。さらに、衝突を考慮した場合と無視した場合で速度向上率は変わらないため、非線形解析によって並列性能が損なわれるといった問題がなく、解析プログラムの非線形大規模解析に対する有効性も示された。

 




Posted : 2024年03月31日