仮想心臓モデルによる心臓電気現象シミュレーション
氏名:稲田慎¹,原口亮²,芦原貴司³,中沢一雄¹
所属:森ノ宮医療大学 医療技術学部¹,兵庫県立大学大学院 情報科学研究科²,滋賀医科大学 情報総合センター・医療情報部³
概要:仮想心臓モデルを構築し,電気生理学的シミュレーションを行うことで不整脈のメカニズム解明や,予防・診断に役立たせることを目指している.心筋細胞の電気的興奮に伴う電位変化(活動電位)を再現することが可能なユニット約136万個を組み合わせて心房モデルを構築した.まず,洞調律に対応する電気刺激を上大静脈に加え,洞調律時の興奮伝播過程を再現した.次に,肺静脈からの異常興奮による不整脈の発生機序を検討するために,4つの肺静脈(左上肺静脈,左下肺静脈,右上肺静脈,右下肺静脈)にそれぞれ洞調律よりも速い頻度の電気刺激を与えた.肺静脈へ与える刺激の間隔を変更しながらシミュレーション実験を繰り返し,不整脈の誘発性および持続性を検討した.その結果,心筋細胞の電気生理学的特性や細胞間の電気的結合,心臓の解剖学的構造が不整脈の誘発性や持続性に影響を与えることが示唆された.
論文掲載,発表実績:
(国内研究会等発表論文)
- 中沢一雄,稲田慎,岸田優作,柴田仁太郎,富井直輝,高山健志,井尻敬,山口豪,芦原貴司.心房細動患者を想定した3次元心房形状モデルの構築による興奮伝播ダイナミクスの可視化.第43回医療情報学連合大会.2023/11/22-25,神戸ファッションマート,口頭発表
- 中沢一雄,稲田慎,岸田優作,柴田仁太郎,富井直輝,高山健志,井尻敬,芦原貴司.心房細動興奮伝播様式の再現を目指した大規模電気生理学的シミュレーションと可視化.第62回日本生体医工学会大会.2023/5/18-20,名古屋国際会議場,口頭発表
Posted : 2024年03月31日