ナノインデンテーション中のpop-in現象に関する空孔と結晶粒界の影響
氏名:佐藤 悠治
所属:東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻
概要:Pop-in現象に対する空孔と結晶粒界の影響の調査を目的とし,ナノインデンテーション分子動力学解析を実施した.純鉄を対象とし,圧子直下1.0 nmに空孔1個を含むモデル(空孔モデル)と,中心面に粒界を含むモデル(粒界モデル)に対して解析を実施し,第一pop-in発生時の描像を観察した.空孔モデルでは多数の転位が同時に生成し,空孔以外の箇所で均質転位核生成が生じたと見られるため,本解析での空孔配置ではpop-in現象に対する空孔の寄与は小さいと考える.一方粒界モデルでは粒界から少数の転位が生成され,この際の第一pop-inの発生規模は空孔モデルの場合と比較すると約60分の1程度であったことから,粒界を媒介とした不均質転位核生成が生じたと考える.
Posted : 2024年03月31日