巨大岩石を含む土石流シミュレーション手法の開発

 

氏名:青木尊之

所属:東京工業大学 学術国際情報センター

概要:近年多発している土石流災害に対し、透過型堰堤の有効性を検証するために巨大岩石を含んだ土石流の3次元シミュレーション手法の開発を行った。土石流を泥流と有限なサイズの岩石(固体)に分けてモデル化し、泥流についてはビンガム性の非ニュートン性流体として扱い、キュムラント型の格子ボルツマン法で自由界面を含んだ流れとして解く。STLで表現された複雑形状の岩石に対しては、レベルセット関数に変換し、泥流との相互作用をInterpolated Bounce Back法とmomentum exchange法で計算する。岩石の表面近傍や河床、堰堤構造物近傍に動的に高解像度格子を割り当てるAMR (Adaptive Mesh Refinement)法も導入した。岩石同士の衝突には、岩石を小球の剛体連結で表現したモデルに個別要素法の計算を適用した。斜面を流れ落ちる土石流の大規模シミュレーションが可能になった。

 




Posted : 2024年03月31日