DFT計算によるCーF結合の酸化的付加に有効な錯体の探索
氏名:Ryohei Doi
所属:Department of Applied Chemistry, Faculty of Engineering, Osaka University
概要:これまで主流であった多数の実験の実施による試行錯誤は人的・物質的資源を大きく消費するため、より環境に調和した代替手段が求められている。本研究では、計算科学による新物質設計により、試行錯誤の段階における実験数を減らし、物質的資源の削減を試みた。モデルとして、Pd錯体を用いたパーフルオロベンゼンの酸化的付加反応の開発を検討した。さまざまなPd錯体によるC−F結合切断を密度汎関数法(DFT)を用いた計算によってシミュレーションしたところ、アミノホスフィン配位子を有する錯体において最も低いΔG0およびΔG‡が得られた。実際にこのアミノホスフィンを合成し、酸化的付加を検討したところ、ヘキサフルオロベンゼンのC−F結合切断が起きることを見出した。
論文掲載,発表実績:
(その他)
- ポスター発表:山口千尋、北添大稀、土井良平、生越専介 “DFT計算を活用した 炭素―フッ素結合のPd(0)/ホスフィン錯体への酸化的付加反応の開発” 錯体化学会第73回討論会(2023年9月、水戸)
Posted : 2024年03月31日