核融合中性子源の液体Liターゲットの流動特性に関する研究

 

氏名:帆足英二

所属:大阪大学大学院工学研究科 環境エネルギー工学専攻

概要:核融合炉材料試験を実現するための核融合中性子源では、液体リチウム(Li)ターゲットに重陽子ビームを照射することで高エネルギー・高フラックス中性子場を形成するが、ビーム照射に伴う熱を除去するためにLiは高速で流される。鉛直に設置された湾曲流路を流れるため特有の渦構造を有するなど、液体Liターゲット内部の流動構造を詳細に把握することは重要な意味を持つ。そこで本研究では、ビームの熱負荷を受けるLi噴流内の乱流熱輸送のメカニズムの解明に向け、これまでなされていなかった縦型湾曲流路を流れる25mm厚のLiターゲットの大規模LES計算を実施した。実験や理論解との比較からモデルの妥当性を検証し、十分な精度があることを確認した。加えて、内部の乱流熱拡散に大きく寄与する底面壁近傍における渦構造を明らかにした。

 

論文掲載,発表実績:
(学術雑誌掲載論文)

  • Eiji Hoashi, Daichi Hagari, Yosuke Ogino, Takafumi Okita, Makoto Oyaizub and Kentaro Ochiai, “Investigation of hydrodynamic characteristics of Li jet flowing along concave flow channel using LES for A-FNS”, Fusion Engineering and Design, Volume 202, 114361 (2024).

 

(国内研究会等発表論文)

  • 葉狩大地、帆足英二、沖田隆文、“湾曲流路を流れる高速Li噴流の内部流動構造に関する研究”、日本原子力学会2023春の年会、東京大学(2023).

 




Posted : 2024年03月31日