ONION-file は Nextcloud を使った WEB ストレージサービスです。 WEB ブラウザを経由して、 SQUID のファイルシステムへのファイル転送が可能です。初期状態では SQUID home 領域のみを連携しており、 ONION-file を経由して保存したファイルは以下のパスに保存されます。フロントエンド環境や計算ノードから利用することが可能です。

/sqfs/home/[利用者番号]/OnionWeb/
例:利用者番号 "user001" の場合 /sqfs/home/user001/OnionWeb/

SQUID home 領域以外にも、 WebDAV 、 SCP 、 S3 に対応した任意の外部ストレージ( OCTOPUS 、 ONION-object 等)を連携することも可能です。

SQUID work 領域との連携方法

初期状態では work 領域を参照できませんが、以下の手順で Onionweb ディレクトリ内に work 領域へのシンボリックリンクを作成することで、リンクファイルを経由して ONION-file 上でも work 領域を参照できるようになります。同様の手順で SSD 領域など、 SQUID のその他の領域も参照可能です。

cd ~/Onionweb
readlink -f /sqfs/work/[グループ名]/[利用者番号]/
例:利用者番号 "user001" 、グループ名 "G00001" の場合 readlink -f /sqfs/work/G00001/user001/
 

結果が
/sqfs2/cmc/0/work/[グループ名]/[利用者番号]
の場合は、末尾に / を付けたものを第一引数にして
ln -s /sqfs2/cmc/0/work/[グループ名]/[利用者番号]/ work
を実行することにより、シンボリックリンクを作成する
 

結果が
/sqfs2/cmc/1/work/[グループ名]/[利用者番号]
の場合は、末尾に / を付けたものを第一引数にして
ln -s /sqfs2/cmc/1/work/[グループ名]/[利用者番号]/ work
を実行することにより、シンボリックリンクを作成する

※パスはグループによって異なります。

 

利用方法

ログイン手順
ファイルアップロード手順
ファイルダウンロード手順
ファイル名変更・移動・削除
フォルダ・ファイル共有(URLでの共有)
外部ストレージ連携
Nextcloudアプリからの利用

 

ログイン手順

ONION-fileのページにアクセスしてください。日本国内からのみアクセスが可能です。
ONION-file
 
以下のログイン画面が表示されるので、 SQUID のユーザ名(利用者番号)とパスワードを入力し、ログインをクリックしてください。

 
パスワード認証に成功すると、以下の二段階認証の選択画面が表示されますので、「 TOTP (Authenticator App) 」を選択してください。

 
その後、 QR コードが表示されますので、 Microsoft Authenticator 、 Google Authenticator などの二段階認証アプリで QR コードを読み込み、アプリに登録を行ってください。なお、 SQUID の二段階認証とは別のコードになりますのでご注意ください。

 
ログイン後の画面は以下のとおりです。
SQUID の home 領域( /sqfs/home/[利用者番号]/OnionWeb/ )が「 SQUID_HOME 」として表示されます。

 

ファイルアップロード手順

「SQUID_HOME」へのファイルアップロード手順を解説します。以下の 2 種類の方法があります。

ドラッグ&ドロップによるアップロード
参照アップロード

 
* WEB ブラウザを使ったファイル転送では、 PHP のタイムアウト時間が 90 秒に設定されているため、大容量のデータのアップロードがうまくいかないことがあります。(アップロードできるデータサイズの上限は、ご利用のネットワーク環境によって異なるため、明確にお伝えすることが難しいことをご了承ください。)

 

ドラッグ&ドロップによるアップロード

アップロードしたい場所を開き、アップロードしたいファイルをドラッグ&ドロップします。
 
「 SQUID_HOME 」をクリックしてください。

 
アップロードしたいファイルをドラッグ&ドロップします。

 
アップロードが開始されると次のような進行状態バーが表示されますので少し待ちます。

 
ドラッグ&ドロップしたファイルが表示されるとアップロード完了です。

 

参照アップロード

アップロードしたい場所を開き、アップロードしたいファイルを選択します。
 
「SQUID_HOME」をクリックしてください。

 
画面上部の「+マーク」をクリックし、表示される「ファイルをアップロード」をクリックします。
ファイル参照ダイアログが表示されますので、アップロードしたいファイルを選択し、「開く」をクリックします。

 
アップロードが開始されると次のような進行状態バーが表示されますので少し待ちます。

 
ドラッグ&ドロップしたファイルが表示されるとアップロード完了です。

 

ダウンロード方法

「 SQUID_HOME 」からファイルダウンロード手順を解説します。以下の 2 種類の方法があります。

単体ファイルのダウンロード
複数ファイルのダウンロード

 

単体ファイルのダウンロード

ダウンロードしたいファイルの右側にある「…」をクリックし、表示される「ダウンロード」をクリックするとダウンロードが始まります。ダウンロードファイルの保存先は使用している WEB ブラウザの設定に依存します。

 

複数ファイルのダウンロード

ダウンロードしたいファイルの左側にあるチェックボックスにチェックを付け、ファイル名リストの上側にある「…アクション」をクリックし、表示される「ダウンロード」をクリックしてください。ダウンロードファイルの保存先は使用している WEB ブラウザの設定に依存します。
なお、複数ファイルをまとめてダウンロードする場合は、 zip 形式で圧縮された形になりますので、別途解凍してください。

 

ファイル名変更・移動・削除

操作したいファイルの右側にある「…」をクリックし、「名前の変更」「移動またはコピー」「ファイルを削除」を選択してください。

 
複数ファイルを削除したい場合は、左側にあるチェックボックスにチェックを付け、ファイル名リストの上側にある「…アクション」をクリックし、表示される「削除」をクリックしてください。

 

フォルダ・ファイル共有

共有用の URL を発行することで、 SQUID のアカウントを持たない人とも任意のフォルダやファイルを共有することができます。
 
共有したいフォルダ・ファイルの右側にある共有マーク()をクリックします。右側にメニューが表示されますので「 URL で共有」の右側にある「+」ボタンをクリックします。

 
以下の画面が表示されますので「パスワード保護(強制)」に表示されるパスワードを控えるか、任意のパスワードを設定します。任意のパスワードを設定する場合は12文字以上にする必要があります。その後、パスワード右横の「→」をクリックします。

 
「 URL で共有」の右側のアイコンが以下の様に変わりますので「…」をクリックします。
 
以下のメニューが表示されますので、必要に応じて設定を変更します。変更後、メニューウィンドウ外をクリックして、メニューを閉じてください。

共有ラベル 共有オーナが管理する上でのラベル
編集を許可 機能制限のため有効になりません。
ダウンロードを隠す 共有 URL 接続してもファイルが非表示になるため有効になりません。
パスワード保護(強制) 解除できません。任意に変更可能です。変更後は「→」をクリックしてください。
有効期限を設定 共有 URL の有効期限を設定できます。
受取人への注意 共有 URL の右上にメッセージを追加できます。

 
「 URL で共有」の右側のクリップボードアイコンをクリックすると、共有用の URL をコピーします。先に控えておいたパスワードとコピーした URL を、フォルダ・ファイルを共有したい人にメールなどで送ってください。

 
共有を終了したい場合は、「 URL で共有」の右側の「…」をクリックし、メニューから「共有を解除」を選択してください。

 

外部ストレージ連携

SFTP や Amazon S3 API に対応した外部ストレージを連携し、 Nextcloud 経由でアクセスできます。以下は、それぞれの例として、適当な SFTP サーバー( SFTP )、 ONION-object ( Amazon S3 )を連携する手順です。
 
画面右上のユーザアイコンをクリックし、表示されますメニューから「設定」をクリックし、左メニューの「外部ストレージ」をクリックします。

 
下表を参考に連携先の情報を入力し、入力が終わったら右端の「✓」をクリックしてください。

 

SFTP 連携

フォルダー名 任意の名称を入力してください
外部ストレージ 「 SFTP 」を選択してください。
認証 任意の認証の種類を選択してください。以下は「ユーザー名とパスワード」を選択したときの例です。
ホスト 外部ストレージのアクセス先として FQDN 等を入力してください。
ルート 連携するディレクトリのパスを入力してください。
ユーザー名 外部ストレージにアクセスするためのユーザー名を入力してください。
パスワード ユーザー名に対応するパスワードを入力してください。
詳細設定 フォルダを共有したい場合は「共有の有効化」にチェックを入れてください。

 

Amazon S3 連携( ONION-object の例)

以下で必要となる OINION-object のバケット、アクセスキー、シークレットキーの作成方法や確認方法はこちらをご参照ください。

フォルダー名 任意の名称を入力してください
外部ストレージ 「 Amazon S3 」を選択してください。
バケット名 連携するバケット名を入力してください。
ホスト名 外部ストレージのアクセス先として S3 エンドポイントを入力してください。 ONION-object の場合は「 s3-osakau.oniongw.hpc.cmc.osaka-u.ac.jp 」となります。
ポート ポートが指定されている場合は入力してください。 ONION-object の場合は空欄で結構です。
リージョン リージョンが指定されている場合は入力してください。 ONION-object の場合は空欄で結構です。
SSLを有効 SSLを利用する場合はチェックを入れてください。 ONION-object の場合はチェックを入れてください。
パス形式を有効 S3 標準方式(仮想ホスティング形式)での接続を推奨しており、通常はチェック不要です。
※パス形式を有効にしても動作しますが、機能差はありません。
レガシー認証(v2) レガシー認証で認証を行う場合はチェックを入れてください。 ONION-object の場合はチェックを入れないでください。
マルチパートコピーの有効化 通常はチェック不要です。
※大きなオブジェクトを S3 内でコピーする場合、有効にするとパフォーマンスが向上する場合があります。
アクセスキー 連携先のアクセスキーを入力してください。
シークレットキー 連携先のシークレットキーを入力してください。
詳細設定 フォルダを共有したい場合は「共有の有効化」にチェックを入れてください。

ONION-file のトップページに戻り、入力したフォルダ名が表示されていることを確認してください。

 

Amazon S3 連携( SQUID S3DS の例)

以下で必要となる S3DS のバケット、アクセスキー、シークレットキーの作成方法や確認方法はこちらをご参照ください。

フォルダー名 任意の名称を入力してください
外部ストレージ 「 Amazon S3 」を選択してください。
バケット名 連携するバケット名を入力してください。
ホスト名 外部ストレージのアクセス先として S3 エンドポイントを入力してください。 SQUID S3DS の場合は「 squidgw.hpc.cmc.osaka-u.ac.jp 」となります。
ポート ポートが指定されている場合は入力してください。 SQUID S3DS の場合は空欄で結構です。
リージョン リージョンが指定されている場合は入力してください。SQUID S3DS の場合は「osakau」と入力してください。
SSLを有効 SSLを利用する場合はチェックを入れてください。 SQUID S3DS の場合はチェックを入れてください。
パス形式を有効 S3 標準方式(仮想ホスティング形式)での接続を推奨しています。
※オンにしても動作しますが、機能差はありません。
レガシー認証(v2) レガシー認証で認証を行う場合はチェックを入れてください。 SQUID S3DS の場合はチェックを入れないでください。
マルチパートコピーの有効化 通常はチェック不要です。
※大きいオブジェクトを S3 内でコピーする場合に、パフォーマンスが向上する場合があります。
アクセスキー 連携先のアクセスキーを入力してください。
シークレットキー 連携先のシークレットキーを入力してください。
詳細設定 フォルダを共有したい場合は「共有の有効化」にチェックを入れてください。

ONION-file のトップページに戻り、入力したフォルダ名が表示されていることを確認してください。

 

 

アプリケーションからの利用

Nextcloud 環境は、デスクトップクライアントアプリが用意されており、クライアントアプリ経由で利用することも可能です。クライアントアプリのインストール作業には再起動を伴います。インストールを行う際は編集中のファイルなど保存して実行してください。
 
詳細はこちらをご参照ください。

 

参考情報

Nextcloud
Nextcloud User Manual