vol.14 致死性不整脈をもたらすトリガー活動形成メカニズムの解明

今回のHPSC Newsでは、「致死性不整脈をもたらすトリガー活動形成メカニズムの解明」に取り組んでおられる、金沢医科大学 医学部 生理学Ⅱ 津元 国親 先生の御研究を紹介します。
 

 
研究者:津元 国親
所属:金沢医科大学 医学部 生理学Ⅱ 准教授
 

研究概要:心臓は、生命の営みである血液循環を担うポンプである。この血液ポンプが正常に機能するためには、心臓の中を正確に電気が流れる必要がある。この電気の流れ(心筋細胞が興奮することによって作られる興奮波の伝播)の異常が不整脈であり、特に心室内で起きた異常は致死性となることがある。心筋細胞の興奮が持続しすぎることで、異常な興奮を引き起こし、致死性不整脈の発症をもたらすと考えられているが、発症のきっかけとなる現象がどのような仕組みで引き起こされるのかはまだよく理解できていない。本研究では、心室筋シートモデル上での興奮伝播を、サイバーメディアセンターのOCTOPUS大型計算機により多様な条件でシミュレーションを繰り返し、その致死性不整脈発症のきっかけとなる現象(トリガードアクティビティー)の発生機序を明らかにすることに成功した。この成果は、今後不整脈発症の予知や予防方法を確立する上で有用になると考えている。




Posted : 2023年04月24日