平成28年度の研究成果一覧です。

 
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過去の研究成果

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素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|飯田圭(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|永田桂太郎(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

タンパク質のFolding Funnelの珍しさ

著者(所属)|菊池誠(大阪大学サイバーメディアセンター)

タンパク質のファネル的エネルギー景観がどれくらい珍しいかを調べ、タンパク質の進化について唆示を得ることを目的として、ランダムネットワーク上のランダムエネルギーモデルがファネル的構造になる確率をマルチカノニカルモンテカルロ法によって計算した。結果として、ファネルの実現確率はネットワークごとに大きく違い、1000ネットワークの分布を取ると概ね対数正規分布になることがわかった。これはタンパク質の言葉でいうと変異に対して頑健な天然構造が少数存在することを意味し、タンパク質のfoldの種類が少ない理由を説明すると考えている。

超音速燃焼を考慮した圧縮性粘性流れの数値解析法に関する研究

著者(所属)|坪井伸幸(九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系)

空気中に噴出する高圧水素噴流の拡散挙動を明らかにするために,化学種の質量保存を含む3次元非定常圧縮性粘性解析を行った.噴出孔直径0.2 mmの噴出孔から1mまでの大きい計算領域を噴出する流れ場の解析を行い,実験結果と比較しても水素濃度分布が妥当な結果が示された.

EPOCH 2D Particle-in-cell (PIC) Simulation

著者(所属)|Rajesh Kumar(Graduate School of Science, Osaka University)

Evolution of Weibel filaments in high intensity laser-plasma interaction.

反射性鱗片状粒子による乱流の可視化

著者(所属)|栗田朋幸,後藤晋(大阪大学 基礎工学部)

(3) 微小な反射性鱗片状粒子(reflective flakes)による流れの可視化は流体の室内実験でよく用いられる。この可視化法は簡便であるが、可視化されるパターン(例を右に示す)が流れ場のどのような特徴を反映しているのかは一般にはよく分からない。そこで、鱗片状粒子群を乱流中で追跡する数値シミュレーションを実行した。その結果、右に示すように、室内実験で得られるとの同様の可視化パターンを数値的に再現することができた。今後、乱流中における鱗片状粒子の動力学やその分布や配向の統計性質を詳しく調べ、可視化パターンと流れの性質との関係を明らかにする計画である。

見かけの動的接触角と局所の動的接触角

著者(所属)|大森健史(大阪大学工学研究科機械工学専攻)

高解像度の数値解析により、見かけの動的接触角と局所の動的接触角の違いについて調べた。先行研究において提案されて現在よく用いられている動的接触角の実験式には一般性や物理的正当性がないこと、見かけの動的接触角には測定法の違いによる有意な差が生じることを明らかにした。

レーザーアブレーション領域における強磁場中の非局所熱伝導の特性

著者(所属)|朝比奈隆志(大阪大学工学研究科環境・エネルギー工学専攻)

レーザー核融合における爆縮過程では、レーザーアブレーション領域における非局所熱伝導は爆縮の駆動にかかわる重要なエネルギー輸送過程である。近年では高速点火方式において強磁場を印加する手法が盛んに研究されている。本研究ではParticle-In-Cell法を用いたシミュレーションにより強磁場下における非局所熱伝導の振る舞いを解析した。

沿岸域における高解像流動シミュレーション

著者(所属)|中谷祐介(大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻)

閉鎖性の強い港湾域を対象に,発電所取放水を利用した流動制御の効果を評価するために,三次元流動モデルFVCOMを用いた数値シミュレーションを行った.その結果,取放水を利用して港湾スケールの海水交換能を大きく向上させることは難しいが,港湾内の水平移流拡散や鉛直混合を促進させることは可能と考えられた.

フォトニックナノジェットを利用した微細加工に関する研究

著者(所属)|上野原努(大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 高谷・水谷研究室)

フォトニックナノジェットは直径数マイクロメートルの誘電体マイクロ球にレーザ光を照射した際に球後方に現れるビームである.そのビーム径は数百ナノメートル,ビーム長さは数マイクロメートルであり3次元微細加工に適した強度分布であると考えられる.サブミクロンスケールの加工分解能を達成するためには,フォトニックナノジェットの強度分布制御が不可欠である.そこで,レーザ波長,マイクロ球直径や屈折率などを変化させ,FDTD法(Finite-difference time-domain method)によって強度分布解析を行うことでフォトニックナノジェットの強度分布最適化を行っている.波長800nmのレーザ光を用いて,200nm程度の径の加工が可能であることを実証している.

多重スケール解析を用いた反変・共変遷移型 新規高分子モデルの創出

著者(所属)|堀内 潔(東京工業大学 工学院機械系)

目的 
流体中を流動する高分子の運動においては、通常、溶媒の変形にたいする高分子の追随性が仮定されており、高分子は反変型となるが、 de Gennesは非追随性の可能性を指摘した.この場合、高分子は共変型となる.本研究は、非追随性の導入が高分子の伸長に与える効果を示し、反変共変間の遷移を行う新規高分子モデルの創出を図る.
内容 
高分子をdumbbellモデルで近似し、そのBrownian dynamics simulation と溶媒のDNSを結合する多重スケール数値計算を行った.
結果 
図は提案したモデルにより得られた高分子の非追随性強度の時間発展を示す.a =0は反変型、 a =1は共変型を示すが、伸長が大きくなると反変型から共変型に遷移し、その過程が概周期的に反復される事が見て取れる.

イオンビーム駆動高速点火レーザー核融合の特性評価

著者(所属)|城崎知至(広島大学)

高速点火レーザー核融合における点火実証においては爆縮コアの一部を点火温度まで加熱する必要がある。本研究では、爆縮コア加熱用ドライバーに、発散角・エネルギー広がり共に大きな電子ビームの代替として、光庄加速イオンビームの利用を検討する。本年度は、Hybridシミュレーションにより、点火実証クラスの爆縮コアに対して単色のC6+ビームを入射して、点火に要するビーム条件を評価した。また、この結果をもとに、PICシミュレーションにより光庄加速によるイオンビーム生成条件を評価した。
  Hybridシミュレーションにより、コア近傍にてC6+ビーム生成が可能な場合、発散角20度において11kJで点火することが示された。また、要求されるC6+ビーム生成には固体密度の炭素ターゲットに対し、レーザー強度1022~1023W/cm2、パルス長<1 psの円偏光レーザーが必要であることが示された。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|山本新(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

成層流体の流れの数値シミュレーション

著者(所属)|花崎秀史,沖野真也,猪又諒祐,木原研吾,細井聖也,松本光平,桑野寛理,中野秀太(京都大学工学研究科機械理工学専攻)

二層流体中の底面物体により励起された界面波の三次元計算を行い, 共鳴条件下での時間発展を調べた. 物体から上流へ伝播する界面波が, 側壁での反射により二次元化することを確認した. また, 鉛直密度勾配が一定の成層流体中のせん断乱流の直接数値シミュレーションを行った. せん断と成層の線形効果によって, 渦の分布が細長くかつ扁平になる様子が見られた.

チミンバルジを標的にしたリガンド設計の量子化学的アプローチ

著者(所属)|矢野綾香(大阪大学大学院 産業科学研究所)

DNAのCTGリピートが以上伸長して発症する遺伝病に1型筋強直性ジストロフィー(DM1)がある。現在 DM1の根治的な治療は存在しないが、CTGリピートに特異的に結合するリガンドは、新規治療法につながる可能性を有している。本研究では、従来の経験的な分子設計法に加えて、量子化学的な考察を分子設計に活かすことを考え、DNAのチミンバルジに選択的に結合する新規リガンドの計算による結合能評価法の確立を目指している。計算の信頼性を確かめるため、計算値と実験値の比較を行った。リガンドPQA、AANと、チミンバルジを持つ5塩基対のDNAとの複合体初期構造を作成し、Gaussian09を用いて構造最適化 (B97D/6-31G* IEFPCM)した。複合体形成による獲得エネルギーを算出し、ITCと融解温度測定から得られた実験値と比較したところ、両者の傾向は一致した。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|福田龍太郎(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

仮想心臓モデルによる心臓電気現象シミュレーション

著者(所属)|[1]稲田慎,[2]原口亮,[3]芦原貴司,[4]中沢一雄([1]姫路獨協大学医療保健学部,国立循環器病研究センター,[2]兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科,[3]滋賀医科大学循環器内科・不整脈センター,国立循環器病研究センター,[4]国立循環器病研究センター)

目的:スーパーコンピュータ上に仮想心臓モデルを構築し,電気生理学シミュレーションを行うことで致死性不整脈のメカニズム解明や,予防・診断に役立たせることを目的とした研究を行っている.内容:心筋細胞の電気的興奮に伴う電位変化(活動電位)を再現することが可能なユニットを約2000万個組み合わせて心室形状モデルを構築した.モデルには,心外膜から心内膜にかけての電気生理学的性質の不均一性を組み込んだ.本研究では,遺伝性の心臓疾患の一つであるBrugada症候群を想定し,右室流出路における伝導障害と心室性不整脈の誘発性および持続性との関係について検討した.その結果,遅く興奮する伝導障害領域から正常な心筋組織への興奮の広がりが不整脈発生のきっかけになることが明らかとなった.また,不整脈の誘発性や持続性は,伝導障害領域の部位,伝導障害領域の大きさ,障害の程度などが影響することも明らかとなった.

混相流数値シミュレーション

著者(所属)|杉山和靖(大阪大学 大学院基礎工学研究科)

これまで,VOF法/MTHINC法に基づき気液二相流を数値予測するMPI並列版コードの整備し,SX-ACEで動作することを確認してきた.当該年度は,SX-ACEを使用してのプロダクトランを行っておらず,有意な結果を得ていない.

フガシティ展開によるQCD相構造の研究

著者(所属)|牧山隆洋(大阪大学核物理研究センター 理論部 協同研究員)

フガシティ展開によるアプローチを用いて、QCD相構造を研究する。2カラーの圧倒的に強いところは、虚数と実数領域の両方で格子計算が可能であることである。本当に興味があるのは3カラーであるが、まずはSU(2)で計算し、この手法にどれくらいの信頼性があるのかをチェックする。

リガンド結合が導く蛋白質の活性変化のMDシミュレーションによる予測

著者(所属)|土屋裕子,Gert-Jan Bekker,中村春木(大阪大学 蛋白質研究所)

活性化リガンドの結合による二次構造変化が蛋白質活性を導く系において、異なるリガンド結合による蛋白質活性の変化を、シミュレーションによる二次構造の変化の度合いから推測する仕組みを構築する。
 活性化リガンド結合蛋白質の構造(活性化構造)を初期構造とし、活性化および非活性化リガンドを結合させた蛋白質の短時間シミュレーションを、温度や溶媒の有無など様々な条件下で実施した。着目する二次構造の崩壊の程度(βシートを形成するストランド間の距離等)から、リガンドの蛋白質活性化能を区別する条件検討を行った。
 2016年度に実施した溶媒中でのシミュレーションにおいては、活性化および非活性化リガンドの蛋白質活性化能をそれぞれ正しく予測するシミュレーション実行条件が確定しつつある。今後はGBSAなどの非溶媒下での条件検討も実施する。

MPS法による開いたキャビティを過ぎる非圧縮流れの数値シミュレーション

著者(所属)|吉田尚史,岩木由浩,早川真行(信州大学工学部 )

非圧縮流れを粒子法で解くMPS法を用いて二次元非圧縮流れの開いたキャビティを過ぎる流れの自励振動現象をシミュレーションすることを目的とする.アスペクト比2.0のキャビティについて,はく離せん断層が自励振動する現象がMPS法で計算できた.

イメージベース有限要素弾塑性解析によるアルミニウム鋳造合金の疲労亀裂発生メカニズムの解明

著者(所属)|桑水流理,寺西正輝(福井大学 学術研究院 工学系部門)

アルミニウム鋳造合金の高強度化を目指し,疲労き裂発生メカニズムを実験と数値解析の両面から解明している.大型放射光施設SPring-8で撮像したCT画像を用い,イメージベース有限要素弾塑性解析を実施し,疲労負荷時の金属組織内の応力・ひずみ場を評価した.応力集中部の幾何学的な特徴や,繰り返し負荷による応力の増加について検討した.並列有限要素解析にはオープンソース有限要素解析コードFrontISTRを使用し,東京大学FX10で実行した.解析結果の可視化のみ,大阪大学VCCの並列化対応可視化ソフトAVS/PCEを用いて実施した.

慣性核融合の性能向上に向けた輻射流体解析

著者(所属)|白戸高志(東北大学 工学研究科)

慣性閉じ込めにより熱核融合を起こすには,中心点火方式と高速点火方式の別を問わず,燃料球の爆縮ダイナミクスをよく理解する必要がある.我々は輻射流体計算を行うことで,メガジュール級中心点火ターゲットにおける流体不安定性の抑制を数値的に実証し,また高速点火用中実ターゲットの爆縮運動を実験の単色X線バックライト計測と定量的に一致させることに成功した.

大規模可視化システムを用いた夜間津波避難行動シミュレーション

著者(所属)|安福健祐(大阪大学サイバーメディアセンター)

本研究は、夜間津波からの避難行動を再現するシミュレーション開発のため、大規模可視化システムを使った被験者実験を通して避難行動データを収集することを目的としている。避難経路をCGにより再現し、大規模可視化システムに投影した映像を見ながら、被験者が主観評価による避難行動実験を行う。複数のCG画像で誘導灯の設置パターンを変え、誘目性の高い誘導灯の検討も行う。その結果、誘導灯の効果は、表示面の大きさ、フラッシュ、外乱光が影響し、特に800 lmのフラッシュの誘導効果が高くなった。経路選択傾向と誘導灯の誘目性の傾向はほぼ一致するが、外乱光による明るい経路は選択されやすい一方、誘導灯との明度差が低くなるため誘目性は低下した。

複合構造を形成したナノ炭素物質の電子物性解明

著者(所属)|岡田晋(筑波大学 数理物質系)

本プロジェクトでは、各種異種物質ならびに外部電界と広義複合構造を形成したナノスケール炭素物質に着目し、複合構造形成下における電子物性の変調の可能性を密度汎関数理論に基づく第一原理計算の手法と有効遮蔽媒質法を組み合わせることにより明らかにした。
 本年度は、h-BN中に埋め込まれたグラフェン断片(量子ドット)間のスピン相互作用の解明を行い、その値が10meV程度であることを明らかにした。また、グラフェン端のエネルギー論と電子状態の解明を行い、グラフェン端がアームチェアと呼ばれる端形状をエネルギー的に好むことを明らかにし、エネルギーの具安定化の起源がedge状態と呼ばれる非結合状態に起因することを明らかにした。同時に、h-BNリボンのエネルギー論と電子状態の解明を行い、グラフェンとはことなり、端の形成エネルギーはほぼ一定であることを示した。他方、一般の端形状においては、h-BNリボンは両端において極性を有し、その極性が端の終端やリボン二引火する張力により制御が可能であることを示した。最後に、電界効果トランジスタ構造を形成したグラフェン複合系に対する電子状態計算から、グラフェンへの電界効果電荷蓄積において、欠陥や吸着不純物の影響が大きいことを明らかにした。

光ファイバ中の誘導ブリルアン散乱を用いたパルス圧縮

著者(所属)|松本正行,宮下原弥(和歌山大学システム工学部)

誘導ブリルアン散乱(SBS)は互いに逆方向に伝搬する光波間の増幅・非線形過程であり、高出力・大電力のパルス圧縮が比較的容易に実現できる。本研究では、ファイバ中のSBSを用いたパルス圧縮に関して、自然ブリルアン散乱およびファイバ中のKerr非線形性がパルス圧縮の安定性に及ぼす影響を明らかにした。

LESデータに基づく複雑乱流場の熱連成解析手法の開発

著者(所属)|小田豊(関西大学システム理工学部)

高温ガスタービンのタービン翼や燃焼器の冷却設計においては,高温部材の平均温度分布を高精度に予測することが重要であり,複雑乱流場における乱流熱伝達と固体内熱伝導の熱連成問題を低コストかつ高精度に解く手法が求められる.本研究では,LESで得られる平均速度場と各種乱流統計量を用いて,レイノルズ平均されたエネルギー式中の乱流熱流束の予測性能を向上する手法を提案した.

マイクロ熱工学に関する分子シミュレーション

著者(所属)|芝原正彦,植木祥高・藤原邦夫(大阪大学大学院機械工学専攻)

ナノ・マイクロメートルスケールのエネルギー輸送現象を原理的に理解して制御することを目的として,以下の分子シミュレーションを実施した.ナノ構造が凝縮および凝縮時の熱抵抗に与える影響,ナノ粒子層が熱抵抗に及ぼす影響を分子動力学法を用いて調査した.そのために大規模可視化対応PCクラスタを用いた.また,温度・濡れ性等の条件が壁面近傍の凝固状態に与える影響を,分子動力学アプリケーションLAMMPSを用いて調査した

DNSを用いた乱流予混合火炎の数値計測

著者(所属)|坪井和也(岡山大学 大学院 自然科学研究科)

乱流予混合火炎における局所火炎曲率の計測精度を評価するため,Lewis数を変化させたDNSデータを用いてレーザトモグラフィを模擬した数値計測を実行した.
数値計測とDNSの何れにおいても,Lewis数が1より大きい場合,火炎のしわの発達が抑制されることにより局所火炎曲率の確率密度関数の大きい正の部分が減少することで,最頻値近傍の傾向はLewis数が1以下の場合とは異なる結果となった.
数値計測とDNSそれぞれから求められた局所火炎曲率の相関を調べた結果,火炎による膨張効果が最も大きいと考えられる温度勾配が最大となる反応進行度変数等値面を火炎面とすることで,より高い精度で計測可能なことが示唆された.

乱流および多相流のシミュレーション

著者(所属)|梶島岳夫,竹内伸太郎,大森健史,岡林希依(大阪大学 工学研究科 機械工学専攻)

空力騒音、二相乱流、二相伝熱、流体構造連成解析、気液界面および濡れの現象を対象として、差分法、有限要素法、分子動力学法、差分格子ボルツマン法による解析方法を適宜開発している。

壁乱流における亜臨界遷移の直接数値解析

著者(所属)|[1]塚原隆裕,[2]井上俊,[2]数野信夫,[2]國井康平,[2]猪岡翔,[2]山田裕也,[2]高木健吾([1]東京理科大学理工学部機械工学科,[2]東京理科大学大学院理工学研究科機械工学専攻)

壁面せん断流の亜臨界乱流遷移における,層流領域と乱流領域が空間的に共存する現象について,その普遍性などを探るため,スライディング-クエット流の大規模な直接数値解析(DNS)を行った.乱流モデルを用いないDNSにより,非圧縮性ニュートン流体における(同心二重円筒内の)スライディング-クエット流のシミュレーションを実施し,乱流遷移過程を調査した結果,局在化した乱流領域が螺旋状になる“螺旋乱流”を呈することが分かった.螺旋乱流が形成した場合には,局在乱流の下臨界レイノルズ数が低下することを見出した.

構造関数モデルを用いた二次元乱流噴流のLES

著者(所属)|吉田尚史,土屋俊樹,井上稔大(信州大学工学部)

構造関数モデルを用いたLarge Eddy Simulationで二次元乱流噴流の発達を調べることを目的とする.レイノルズ数2000, 6000, 10000の二次元乱流噴流をLESで計算し,統計量を実験値と比較し解析した.構造関数モデルは数値的に安定で,時間平均速度や乱れ強さは実験値と一致する結果が得られた.

噴流-エッジ系における自励振動流のシミュレーション

著者(所属)|吉田尚史,武内健太,三角紡(信州大学工学部)

噴流がエッジに衝突すると噴流が上下に発振する.噴流エッジ間距離を変え振動の変化を調べることを目的とした.噴流ーエッジ間距離を1から14まで1間隔で変化させた計算を行い,エッジがない二次元噴流と比較した.エッジがない二次元噴流では下流で不安定によって振動するのに対し,エッジがある場合は上流から明確な渦の巻き上がりが発生し自励振動した.

イオン液体界面のシミュレーション

著者(所属)|大戸達彦(大阪大学大学院基礎工学研究科 )

(3) 本研究では、イオン液体と空気あるいはグラフェンとの界面での分子配向を明らかにすることを目的とし、第一原理分子動力学法(AIMD)を初めてイオン液体界面に適用した。イオン液体界面ではアニオン・カチオンの密度が交互に高くなり、バルクに近づくと均質になることが知られている。AIMDでは、電子分極が含まれているにも関わらず、分極なしの古典力場同様の遅い構造緩和が見られた。AIMDではπ-πスタッキングしている分子の割合が高く、カチオン同士の相互作用によって構造が作られていることが明らかとなった。

乱流の直接数値シミュレーション

著者(所属)|太田 貴士(福井大学)

円柱周り流れや,燃焼,キャビテーション,非ニュートン効果を伴う流れにおける乱流の直接数値シミュレーションを実現するための数値シミュレーション解析法を開発して,高精度数値シミュレーションを実行する.その結果によって,乱流の維持メカニズムを解明するとともに,予測方法を開発する.

有限温度2カラーQCDにおけるポリヤコフループのふるまい

著者(所属)|伊藤悦子,飯田圭,李東奎(大阪大学RCNP,高知大学理学部)

有限温度・有限密度2カラーQCDの相図と超流動性の解明に向けての準備として、格子作用としてはIwasaki ゲージ作用とWilson格子フェルミオンを用いてハイブリッドモンテカルロ法を用いた配位生成シミュレーションを行った。格子サイズやκを変えつつ、ポリヤコフループのβ依存性を調べ、コードが適切であることを確認した。

創薬におけるスパコンの講演会の実施

著者(所属)|志水隆一(NPO法人バイオグリッドセンター関西)

  氏名:志水隆一 所属:NPO法人バイオグリッドセンター関西 概要:創薬におけるスパコン「京」の産…続きを読む

自由噴流の混合制御に関する数値シミュレーション

著者(所属)|辻本公一(三重大学大学院工学研究科機械工学専攻)

DNS(Direct Numerical Simulation)により,噴流を2つ配置する多重化した自由噴流ならびに衝突噴流について噴流出口を一定回転させる,あるいは噴流を間欠的に噴出させる制御を行い,流動特性および混合/伝熱特性を定量的,定性的に評価した.(i)自由噴流の場合,回転周波数に応じて下流方向に流動構造が大きく変化すること,周波数が高くなるほど噴流が大きく拡散すること,間欠制御により周囲流体を巻き込むエントレイメント量が向上すること,(ii)衝突噴流の場合,間欠制御により噴流間に生じていた吹き上げが間欠制御によって抑制できること,伝熱特性が改善されることを明らかにした.

有限密度格子QCD

著者(所属)|中村純(大阪大学 核物理研究センター)

中性子星内部などの超高密度、宇宙初期などの超高温度状態の数値的研究を行うため、符号問題に対処するためのカノニカル法を導入した。これにより格子QCDによる第一原理シミュレーションが可能になった。このコードのなかで最も計算資源を必要とする化学ポテンシャル入り格子QCDコードをGPU計算用に変換してテスト計算を行った。サイズの小さな格子については高いパフォーマンスが得られた。この結果を基に、現実的な格子サイズのシミュレーション実施の準備を進めている。

都市キャノピー内外の気流・拡散挙動に関するLES

著者(所属)|佐久間悠人,尾崎央明(東京工業大学 総合理工学研究科 環境理工学創造専攻 田村研究室)

別の計算領域で作成した中立大気境界層を流入条件として用い、配置角度が90度異なる2種類の直方体ブロック群における気流場・拡散場の解析を行う。解析手法は、LESによる非定常解析である。見付け面積が広い配置パターンにおいて、キャノピー内で支配的な側方風が発生した。また長周期で側方風の風向が変化するため、汚染物質がキャノピー側方の一方から集中で流出した。見付け面積が狭い配置パターンでは、これらの現象が現れなかったため、直方体ブロック群の配置が、気流場・拡散場に大きく影響することが示された。

開いたキャビティを過ぎる三次元非圧縮流れにおける渦構造のシミュレーション

著者(所属)|吉田尚史,鈴木智洋,藤田樹(信州大学工学部)

開いたキャビティを過ぎる三次元自励振動流の渦構造を解析することを目的とする.キャビティアスペクト比1.5と2.0について直接数値シミュレーションを実行し,自励振動と渦構造を可視化した.1.5は振動しないが2.0は自励振動した.キャビティ内の渦構造の違いが振動の有無に関係する結果が得られた.

観測点近傍の地上構造物に起因する磁界到来方位推定誤差のFDTD解析

著者(所属)|荒木翔平(同志社大学大学院 理工学研究科)

落雷位置標定システムでは,直交ループアンテナで推定された雷電磁界パルスの到来方位が落雷位置の標定に利用されている。観測点近傍に,地上構造物が存在する場合,正確に,位置標定できないと考えられるため,FDTD(finite-difference time-domain)法を用いて,観測点近傍の構造物が,到来方位に与える影響について検証した。本研究では,雷撃点から30km遠方の磁界観測点(x軸およびy軸から45°の方向)近傍に地上構造物を配置した場合の雷電磁界の解析をFDTD法により行い,観測点の水平直交二方向の磁界のピーク値およびそれらの比から推定される電磁界の到来方位に与える影響について検討を行った。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|鈴木恒雄,石黒克也,関口昂臣(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|李東奎(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

単一微小液滴の蒸発過程における混合分子の挙動と影響に関する分子動力学的研究

著者(所属)|伊森大記(大阪大学大学院機械工学専攻)

ナノメートルオーダの大きさの単一混合液滴の蒸発過程に着目し,混合成分の含有量が液滴の蒸発過程及び蒸発速度に与える影響を非平衡分子動力学解析により調査することを目的として,以下の分子シミュレーションを実施した.特に,単一微小液滴の蒸発過程における混合分子の挙動と影響の調査を行った.

並列プログラム生成系FlintにおけるSX-ACE向けベクトル演算の効率化

著者(所属)|置田 真生,萩原 兼一(大阪大学 大学院情報科学研究科)

Flintは生体機能を表現する数理モデルを入力として,並列実行可能なシミュレーションコードを生成する.多様な並列環境に応じた実行効率の高いシミュレーションの実現を目指している.
本研究ではFlintを拡張し,SX-ACE上で実行効率の高いコードの生成を目的とする.まずベクトル演算率を向上するため,既存のFlintが備える依存解析機能を利用してベクトル化可能なループを自動判別する.次に,実行効率を向上するため,ループ分解,データ配置の変更および交差ループ長の推定に基づく非ベクトル化の3つの手法を適用したコードを生成する.
心筋細胞の膜電位モデルから生成したコードはSX-ACE上でベクトル演算率99.6%を達成した.手法の適用前後で,ピーク性能比は0.23%から8.09%に向上した

高濃度固気二相流を対象とした輻射伝熱モデルの検討

著者(所属)|上塚修平(大阪大学 工学部 )

高濃度固気二相流における伝熱機構のうち,輻射伝熱のみを対象として,直接数値計算を行い,先行研究の提案した輻射伝熱モデルの有効性について,検証を行った.第2章では,輻射伝熱の理論,本研究で用いた直接数値計算方法について説明する.第3章では,直接数値計算を行う際の,計算条件の決定の方法について説明する.第4章では,高濃度固気二相流に対して壁面-粒子間の形態係数の直接数値計算を行い,その結果と壁面-粒子間の輻射伝熱モデルを比較する.第5章では,結論を述べる.

狭隘空間における水素デトネーションの伝播特性

著者(所属)|松原宏将,朝原誠(岐阜大学工学研究科 人間情報システム工学専攻)

狭隘空間ではCJ速度以下でデトネーションが伝播することが知られている.これは,壁近傍における粘性が原因だと指摘されているが,詳細は明らかになっていない.壁境界条件を周期境界,すべりなし断熱境界,すべりなし等温境界においてデトネーション伝播速度を比較し,粘性がデトネーション伝播速度に与える影響を明らかにする.

相分離現象を利用した強制熱対流における伝熱促進

著者(所属)|高木洋平(大阪大学大学院基礎工学研究科)

微小熱交換器内では穏和な条件で伝熱促進させる新しい手法として、熱力学的不安定性による液-液系の相分離現象の利用が提案されている。本研究では二成分流体中で発生した相分離によって熱対流運動がどのように変化して伝熱が促進されるかを明らかにするために、相分離を記述するCahn-Hilliard方程式を流体のNavier-Stokes方程式及び熱輸送に関するエネルギー式とカップリングし、有限差分法を用いた直接数値計算(Direct Numerical Simulation, DNS)を実施して相分離によって生じるドメイン構造と伝熱促進効果の相関を調べた。アセトン-ヘキサデカン系を対象として管径1mmの層流計算を行い、発生した相分離ドメイン付近において壁垂直方向の変動速度が発生し、循環渦の発生によって伝熱が促進されることがわかった。

医薬品候補化合物の副作用発症確率を予測する数理モデルの創成と理論化学計算

著者(所属)|諏訪志典,川嶋裕介,川下理日人,田雨時,高木達也(大阪大学薬学部, 大阪大学薬学部, 大阪大学微生物病研究所附属遺伝情報実験センター, 大阪大学大学院情報科学研究科)

前半の内容について、ロカールのマシンにより研究を進めることとなり、本計算機を利用しなかった。
後半の内容について、分子軌道計算により電子遷移による光スペクトルの予測する場合、最良な計算レベルの選択は系により様々であるため、蛍光を示すヘテロ環化合物に対し基底関数による影響について検討を行った。
分散関数、分極関数の有無による違いを中心に検討を行ったところ、分散関数の導入により状態間のエネルギー差を小さく評価するためスペクトル予測では極大波長の過大評価する結果となり、分極関数を用いることで吸光極大波長が実験値に近づくことが判明し予測精度の向上につながることが判明した。

ナノ形状測定法による球面ミラー3次元測定

著者(所属)|白地央樹(大阪大学大学院 工学研究科)

近年形状自由度の高い光学素子が様々な分野にて応用されており、光学素子を高精度に作製するためにもナノ精度三次元測定法が必要とされている。そこで我々は光の直進性を利用した法線ベクトル検出型非接触ナノ形状測定法の開発を行っている。昨年度は測定中の環境変化を冷却水や整流装置で低減させた。その結果、曲率半径1000 mmの球面ミラーの測定を行い、測定の繰返し性を約5 nmから約0.5 nmまで向上させた。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|岡将太郎,福田龍太郎(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|河野宏明(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

Density Functional Theory study on strain-dependent electronic structure at heterointerfaces of CaSnO3 and SrSnO3 with SrTiO3

著者(所属)|Dan Ricinschi(Innovator and Inventor Development Platform, Tokyo Institute of Technology)

We have elucidated the peculiarities of electronic structure and valence band alignment at heterointerfaces of strained epitaxial ASnO3 thin films. The valence band electronic structure is strain state dependent in a manner correlated with a directional change in Sn-O bond lengths with strain. The hybridized character of the Partial Density of States changes with volumetric strain in a manner consistent with the X-Ray Photoelectron Spectroscopy data. We have also clarified the impact of donor doping on local and global magnetic moment of BiFeO3 supercells as well as on its electronic and ferroelectric properties. It appears possible to enhance the magnetization of BiFeO3 without significantly affecting its ferroelectricity, with an added bonus of tuning its band gap so that it becomes suitable for photovoltaic applications.

放射流体シミュレーションによる多価ビスマスイオン放射の数値的評価

著者(所属)|[1]東口武史,[1]原広行,[2]藤岡慎介,[2]長友英夫,[3]佐々木明,[4]砂原 淳([1]宇都宮大学大学院工学研究科, [2]大阪大学レーザーエネルギー学研究センター, [3]量研機構関西光研,[4]レーザー技術総合研究所)

レーザー生成プラズマを用いて軟X線顕微鏡用光源を高出力化するためには,衝突・輻射 (CR) モデルと放射流体数値解析を組み合わせて評価する必要があり,重元素多価イオンのCRモデルと放射流体数値解析の精度が必要である.
 原子データ自体が評価されていない重元素多価イオンの数値解析では,実際のプラズマの振る舞いや スペクトル強度を評価できていないのが現状である.
 重元素多価イオンはレベルの数が膨大であり,計算は容易ではない.それぞれのconfiguration averageを評価し,CRモデルを計算した.この結果を放射流体数値解析に組み込み,プラズマ条件を計算した.レーザー強度が 1 x 1014 W/cm2 の最大電子温度は 600 eV 程度であった.

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|大川正典(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

呼気に伴う肺クラックル音の直接数値計算

著者(所属)|伊井仁志,和田成生(大阪大学 大学院基礎工学研究科)

前年に引き続き,呼気に伴う肺クラックル音に関して,気相・液相・固相の力学挙動および音響との連成現象に対する数理モデルを構築し,液柱架橋を伴う気道閉塞時の音源生成を直接数値計算によりシミュレートした.これにより,気道閉塞挙動の強い非線形性が音源生成に大きく関与することが明らかとなった.

研磨パッドの粘弾性特性に着目したエッジ・ロールオフの抑制

著者(所属)|恒川航太郎(大阪大学大学院工学研究科 機械工学専攻 榎本研究室)

片面研磨加工におけるシリコンウェーハのエッジ部の高平坦化を目的として,加工中のウェーハのエッジ部での応力集中に起因した平坦性劣化を改善するために,実加工を模擬した解析モデルを作成し,ウェーハと研磨パッドの接触面応力分布を,構造解析を用いて求めた.それらの結果からシリコンウェーハの相対速度が大きいほど,また研磨パッドの粘性が大きいほどエッジ部での応力値が減少することが明らかになった.構造解析の解析条件と同様の加工条件で加工実験を行い,実際のウェーハの形状においても相対速度および粘性が大きいほどエッジ部の平坦性が向上したことを確認した.

道路橋用アルミニウム合金材の実用化に向けた研究

著者(所属)|清水弘樹(大阪大学大学院 工学研究科 地球総合工学専攻 大倉研究室)

アルミニウム合金は軽量で耐食性に優れているため,アルミニウム合金材を道路橋に適用することで,耐震性の向上およびコスト削減を図ることを目的とする.縦補剛されたウェブを有するアルミニウム合金桁の曲げ耐荷力を与える基礎として,そのウェブである縦補剛された長方形板に対して,FEMによる弾塑性有限変位解析を行い,終局状態での面内曲げ耐荷力を調べた.図に示すように,縦補剛されて長方形板の面内曲げ耐荷力は,同一の幅自乗断面積,すなわち同一の断面積を有する無補剛板の面内曲げ耐荷力を大きく上回る.

Raman spectra calculation for single molecule Observed by Tip-Enhanced Raman Spectroscopy

著者(所属)|Agung Setiadi, Megumi Akai-Kasaya, Yuji Kuwahara(Department of Precision Science and Technology, Graduate School of Engineering, Osaka University)

This study demonstrates a tip-enhanced Raman spectroscopy (TERS)-induced chemical reaction by immobilizing molecules with a self-assembled monolayer on a Au(111) surface. The Raman spectrum of an isolated molecule and their derivatives were calculated to compare with the TERS spectrum. The intensities of the Raman spectra were converted from the calculated Raman activities using an equation which is available in the Chemcraft software. Raman spectra of an isolated pristine [7]TH-aldehyde molecule, and of the isolated [7]TH-aldehyde molecule with the L-mode localized at the side (L1), center (L2) and on all three benzene rings (L3) were calculated and compared to the experimental results. According to the calculated spectra, the L1- and L2-modes result in peaks at 1996 and 2012 cm-1, respectively. By the comparison to the experimental results, it is deduced that one side benzene ring which protruded upwards close to the tip had undergone hydrogenation induced by pyrolysis with the tip acting as both local heat source and catalyst.

Chiral symmetry breaking and monopoles

著者(所属)|長谷川将康(Joint Institute for Nuclear Research, Bogoliubov Laboratory of Theoretical Physics)

カイラル対称性の破れとモノポールの関係を明らかにするために、QCD の第一原理計算 を行っている。
モノポール生成・消滅演算子によってモノポールと反モノポールを加えた QCD 真空を生 成し、その真空からオーバラップフェルミオンのディラック演算子の固有値と固有ベクト ルを計算した。そして、加えられたモノポールと反モノポールが、 QCD 真空中でコヒー レント状態になっていることを確認した。次に QCD 真空中のインスタントンの数を計算 し、モノポールとインスタントンの定量的な関係を示した。さらに、カイラル対称性の破 れを示す秩序変数である、カイラル凝縮を計算して、モノポールと反モノポールの磁荷数 を変えると、カイラル凝縮の値が変わることを示した。そして最後に、くり込み定数、パ イオン崩壊定数、クォーク質量を詳細に計算した。現在、これらの結果を論文にまとめて いる。

爆轟現象の解明とその応用に関する研究

著者(所属)|坪井伸幸(九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系)

水素/空気予混合気に対する詳細化学反応モデルを使用して,3次元の非定常圧縮性非粘性解析を行った.今年度はデトネーションを応用した回転デトネーションエンジンの波面の詳細構造について格子解像度を高めた計算を行い,3次元的なセル構造が現れることを確認した.また,回転するデトネーションの数が2つになると,1の場合に比べて推進性能が低下することも示された.

縦渦導入型ストラットを用いた超音速燃焼と斜め衝撃波の効果に関する研究

著者(所属)|比江島俊彦,小田哲平(大阪府立大学 工学域 航空宇宙工学分野)

SR ストラット周りの計算領域を構造格子で作成し,超音速流中でストラット後縁から燃料水素を音速噴射する非平衡反応流をNavier-Stokes 方程式と9 化学種 17 素反応モデルで解析した。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|國廣悌二,室谷心,中村純,野中干穂,関口宗男,和田浩明,若山将征(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

直接撮像法による若い恒星周りの太陽系外惑星探査、および気球搭載型遠赤外線干渉計望遠鏡の開発

著者(所属)|須藤淳(大阪大学 理学研究科 宇宙地球科学専攻)

目的:SEEDS (Strategic Exploration of Exoplanets and Disks with Subaru)プロジェクトによる太陽系外の巨大ガス惑星の探査、および気球搭載遠赤外線干渉計FITE(Far-Infrared Interferometric Telescope Experiment)の開発。
内容:すばる望遠鏡を用いて年齢が1億年程度の恒星を撮像観測したデータを解析した。また、開発中のFITE構体の強度を計算するため構造解析を行なった。
結果:2009年10月から2015年1月までで40天体を観測し褐色矮星を3つ(うち1つは新規発見)を発見した。また、FITEは2018年春のオーストラリアでの打ち上げに向けて開発を進めている。

電極へのイオンおよび分子の吸着のメカニズム

著者(所属)|清原健司(産業技術総合研究所)

炭素電極への電解質イオンおよびアミノ酸の吸着に伴う熱力学的および電気化学応答を計算するため、分子動力学シミュレーションを行った。特に、吸着や電圧印可に伴う電極表面の電荷密度や吸着する分子の自由エネルギー変化に着目して解析を行った。その結果、これらの物理量が分子種によって、大きく異なることが分かった。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|國廣悌二,室谷心,中村純,野中干穂,関口宗男,和田浩明,若山将征(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

First-Principles calculations on donor doping on multiferroic properties of BiFeO3

著者(所属)|Dan Ricinschi(Innovator and Inventor Development Platform, Tokyo Institute of Technology)

We have elucidated the peculiarities of electronic structure and valence band alignment at heterointerfaces of strained epitaxial ASnO3 thin films. The valence band electronic structure is strain state dependent in a manner correlated with a directional change in Sn-O bond lengths with strain. The hybridized character of the Partial Density of States changes with volumetric strain in a manner consistent with the X-Ray Photoelectron Spectroscopy data. We have also clarified the impact of donor doping on local and global magnetic moment of BiFeO3 supercells as well as on its electronic and ferroelectric properties. It appears possible to enhance the magnetization of BiFeO3 without significantly affecting its ferroelectricity, with an added bonus of tuning its band gap so that it becomes suitable for photovoltaic applications

LES study of very-high-Re flow past a square cylinder with rounded corners

著者(所属)|Cao Yong(Tokyo Institute of Technology)

Square cylinders are the commonly simplified shapes of high-rise buildings. Square cylinders with shape corners are often regarded to be independent of Reynolds number. But the flow information of square cylinders with rounded corners at very high Re close to reality is unknown, which definitely impose the safety uncertainty to the prediction of aerodynamic forces on structures. The objective of this study is to investigate Reynolds-number effects of flows past a square cylinder with rounded corners from Re=o(104) to o(106). Strong Re effects are found in aerodynamic characteristics of this configuration. In particular, the flow separates completely from the frontal corner at the subcritical Res. However, the free stream flows along the cross section of the cylinder, and eventually separates from the leeward corners at the supercritical Res. A turbulent boundary layer is developing on the side faces.

海洋中の乱流と混合に関する数値実験的研究

著者(所属)|吉川裕(京都⼤学⼤学院理学研究科)

海洋表層では⾵により発⽣する乱流により、活発な鉛直混合が⽣じ混合層と呼ばれる鉛直⼀様な層が形成される。近年の研究によれば、この混合層の深さは海⾯熱フラックスの⽇変化に影響される。この⽇変化の影響を数値実験を⾏うことで体系的に調べた。

並列領域分割法による半導体デバイスシミュレーション

著者(所属)|小田中紳二,鍾菁廣(大阪大学サイバーメディアセンター)

新材料・新構造(3次元構造)を持つ半導体デバイスの特性解析のためには、半導体デバイスシミュレーションの高速化が重要である。本研究ではマルチコア・マルチノードアーキテクチャに適した並列計算モデルを考える。
ノード間並列はRestricted Additive Schwarz法に基づいた並列領域分割法を適用し、ノード内並列は分割作用素法による不完全分解の高速化を図ることでハイブリッドMPI/OpenMP並列計算モデルを構築した。
3次元Bulk型MOSFET構造に対して、2次元分割を適用した際の並列化効率を評価した。領域分割数によるベクトル化率の違いを無視するためにベクトル化を無効にした場合では、1ノード(4コア)と比較し、64ノード(256コア)で約35倍の速度向上が得られた。更にベクトル化を有効にすることにより、1ノード(4コア)のスカラー計算と比べ、64ノード(256コア)のベクトル計算で約87倍の速度向上が得られた。

エンジンの統計熱流体シミュレーション

著者(所属)|内藤健(早稲田大学理工学術院基幹理工学部機械科学・航空学科)

目的:従来型と新規原理エンジンの熱効率等の性能の大幅な向上を目指して、実機製作の前にシミュレーションを多用して性能向上を効率的に行う。
内容:エンジン形状・構成・条件について様々な検討をおこない、従来エンジンよりも大幅な熱効率向上案を提示した。
結果:特に、新構造のエンジン(特許権利化済)の検討を行ったところ、ほぼ完全な断熱化と、燃焼騒音レベルを維持したままで高圧縮比化の可能性が見いだせた。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|伊藤悦子(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

素粒子・原子核物理学の数値的研究

著者(所属)|岩野薫(大阪大学核物理研究センター(RCNP)グループ)

核物理研究センターでは、サブアトミック世界の強い相互作用の基本原理である量子色力学(QCD)を中心に、素粒子・ハドロン・原子核物理学とその関連分野にわたる研究を、全国の共同利用研究者とともに行っている。スーパーコンピューターは、大規模計算を必要とする理論的な研究に使われている。その内容は、格子QCDによる数値シミュレーション、原子核構造及び反応に対する有限量子多体系の数値的な解法である。

PW級レーザーとプラズマの相互作用におけるイオン運動の効果

著者(所属)|矢野将寛(大阪大学大学院工学研究科)

  氏名:矢野将寛 所属:大阪大学大学院工学研究科 概要:目的 PW級レーザーとプラズマの相互作用に…続きを読む

数百テスラ規模の強磁場中で発現する流体不安定性の探求

著者(所属)|松尾一輝(大阪大学理学研究科物理学科)

数百テスラ規模の強磁場中で発現する流体不安定性の探求する.強磁場中で形成される非等方な熱伝導の効果を含んだ2次元の流体計算を用いて,強磁場中での擾乱の成長を予測し,実験で検証した.強磁場中では,磁力線に垂直な方向の電子の運動がラーマ半径程度に抑制されることで,電⼦熱伝導の非等⽅性が形成される.この非等方性によってターゲット表面で形成される圧力不均一が擾乱の成長を促す事がわかった.

竜巻状渦の生成機構に関する数値解析的研究

著者(所属)|佐久間悠人(東京工業大学 総合理工学研究科 環境理工学創造専攻 田村研究室)

竜巻は大気不安定性に起因する極めて局所的な現象であり,安全な生活を脅かす存在であるが,地上近傍での竜巻生成機構は未だ明らかでない.
既存の研究にて,竜巻シミュレーター軸対称な流れ場で,周囲の環境場は考慮していない.また気象モデルでの解析は上空の積乱雲を対象としており,そのスケールの違いから竜巻を捉えるまでには至っていない.
本研究では,竜巻が地表近傍でどのように発生するかを解明するために,竜巻発生時の地表面から積乱雲下にかけての環境場を考慮しながら竜巻状渦の数値解析を行い,まだ明らかになっていない地上付近での竜巻の生成機構についての研究を行った.

⼆層グラフェン上へのガス吸着に関する研究

著者(所属)|藤本義隆(東京工業大学理学院)

第一原理密度汎関数理論に基づき、二層グラフェン上への環境汚染ガス吸着のエネルギー論やエネルギーバンド構造などを求めた。 その結果、一酸化窒素分子や二酸化窒素分子が二層グラフェン上に吸着することが分かった。また、これらの分子が吸着することにより、電荷の移動が起こることも分かった。